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著者の立場から補足説明 → 本を書くことについて、読者が知らない8つの出版業界事情

【ビジネス】本を書くことについて、読者が知らない8つの出版業界事情 (B u s i d e a)

僕は現在まで共著も併せて4冊の本を書いています。

その経験を元に、上の記事に著者視点で補足してみます。

★著者は、出版社から自著を定価の80%で買える

たしかに買えますね。「Webマーケティング成功の法則75」のときは書籍を会社の販促ツールとしても使うということだったので、翔泳社さんから数百冊単位で購入したはずです。それくらい大量一括購入となると、費用も馬鹿にならないので、出版社から直接購入しました。8掛けだったかどうかは覚えていませんが、定価よりは安かったはず。

★でも、定価の100%で書店から買う著者さんも。理由は・・・

僕も自著を購入する機会がありますが、そのときは出版社からではなく、Amazonなどのネット書店で購入します。
Amazonで買う→売上ランキングが上がる→ランキング上位に入ると露出が増える→本が売れる、
という好循環を期待してのことです。まぁ数冊買ったくらいではなかなかランキングは動きませんけども。

★著者の印税は10%出たらスーパースター級

僕の場合は、ぶっちゃけ8%です。秀和さん、翔泳社さん共にそうでした。会社に属していたときは、その8%を会社と折半して貰ってました。執筆は主に業務時間外にやってたんで、印税貰っても割に合うかどうか。
んで現在フリーライターになったので、印税は丸々貰えますが拘束時間を考えるとビミョー。WordPress本の場合、がっつり6ヶ月かかってます。偏執的なほど色々と調べ上げて執筆したので、それくらい時間がかかっています。初版2千部なんで、2730円×2,000部×0.08で、43万6800円。そこから源泉徴収されて、39万3,120円が手元に入ってきますが、月給に換算すると、65,520円と、よっぽどコンビニや居酒屋でバイトした方が割がいいという悲しい現実が待っています。

★取次が持って行きすぎ

この辺の事情は色々とありますしねぇ、と現状を嘆いてばかりしても仕方が無いので、著者側が何らかのアクションを起こさないといけないとは思います。ネットもあることだし、既存の出版ビジネスに頼らない収益の柱も十分に構築できるのでは。そういった意味では漫画家の佐藤秀峰さんの試みが注目しています。(参考:「ブラよろ」など作者サイトで有料配信、初日10万円の売り上げ

★書籍のタイトル、帯のキャッチは 大体編集者が決めている。

これはそうですね。僕も自分の本のタイトルを決めたことはないです。餅は餅屋で、売れるタイトルのノウハウってのがあると思うので、編集者に100%お任せしてます。まぁ、タイトルによって売り上げが変わるってことはあると思いますが、それは稀有な例でやっぱり本の内容がしっかりしていれば売れるんじゃないかなぁと。書いている本が技術書なんで特に。

★今はamazon総合1位を取るのに、数日間で400~600冊の販売が必要、らしい。(「ビジネス書」のトリセツ P237)

へぇ、そうなんだ。僕のところには3ヶ月に1度、これだけの期間でこれだけ売れましたよって報告が来るだけなんで、×月×日にAmazonで何冊売れたなんてことを知らないんですよね。WordPress本は、「コンピュータ・インターネット」カテゴリーで22位、総合では410位ってのが今のところの最高順位です(買っていただいた皆様、ありがとうございます)。このときは数日間で何冊売れたのかなぁ。

★出版はバクチ。重版で利益を生むしくみ。初版の印刷部数は、著者の知名度依存

ほんと重版は大事。好きな言葉は増刷!
WordPress本の印税が40万円に満たないというのは先に書きましたが、増刷され続けていけば、濡れ手に粟の素敵な商売にクラスチェンジが可能です。現在のところ、WordPress本は初版2,000部、第1版2刷目1,000部、第1版3刷目1,500部と計4,500部が市場に出回っていますので、これらが全部売れたとすると50万円程度が印税として入ってきます。
それでも6ヶ月かけて90万円、月額換算で15万円程度の収入です。
技術書だけで食っていこうとすれば、5,000部程度売れる本を年間4冊出すか、1万部程度売れる本を年間2冊出すか、それくらいの覚悟が必要です。
加えて言うならば、初版数千部が売りさばけない技術書はたくさんありますし、1万部を超える技術書ってのはほんの一握りです。

★最近の出版社さんは保守傾向

たしかにそうかもしれませんね。今執筆中の本もSEO関連ですし。

最後に

色々と世知辛いことも書きましたが、僕はライターという職業に希望を持っています。書籍の執筆を行いながら、サイトを運営したり、電子書籍を出版したりといったことで安定した収入を得ることも不可能ではないと思いますしね。
あと、WordPressに興味を持っている方は「WordPress 2.7対応「導入&カスタマイズ」実践ガイド」をお買い求めいただきますとすごく嬉しいです。現在WordPressのバージョンは2.8.4ですが、使用感は2.7とほぼ変わりませんのでお役に立つと思います。
それと、10月から次の書籍の執筆を始めたいと思いますので、こーいう技術書を書いてみまんせんか、とか、WordPress関連でなんか本を書いてみませんか?なんて出版社の方は、yoshimura@writing-office.jp、までご連絡ください。良い仕事しますよ。

関連記事:

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  2. TwitterみたいなWordPressテーマ「Prologue」
  3. WordPress 2.7を触ってみる
  4. WordPress本が2月26日にリリースされます。
  5. インタビュー記事で大切にしているコト

Comments:2

新井ユウコ 09-09-16 (水) 1:14

書き込みを失礼いたします。新井ユウコと申します。

著者さんみずから補足ありがとうございます!
私の今回の記事は、あくまで伝聞なので、こうして実績がある方のお話はとても参考になります^^

吉村正春 09-09-16 (水) 10:59

新井様
こちらこそ大変参考になる記事ありがとうございました。
出版業界事情第2弾、第3弾を期待しています!

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