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B級
突き抜けっぷりが気持ちいい、妖星ゴラス
- 2007-10-24 (水)
- 映画
1980年代の某日、地球に大隕石が接近していることが判明する。「妖星ゴラス」と名付けられたその隕石(黒色矮星)は、地球の引力の6,000倍をほこり、地球に接近すれば、致命的なダメージを与えることは間違いなかった。そこで、地球人類がとった手段とは、、、、
というわけで、今回取り上げるのは映画「妖星ゴラス(1962:東映)」です。地球に大隕石(or大彗星)が接近するというシチュエーションで、多くの映画が封切られてきましたが、その中でも異彩を放っているのが、この「妖星ゴラス」なんですよ。
隕石接近モノといえば、巨大隕石にハッパを仕掛けに行く「アルマゲドン」、巨大彗星にブラックホール化した木星をぶつける「さよならジュピター」、宇宙戦艦ヤマト2の「白色彗星」などがあります。
これらの作品と「妖星ゴラス」は、何が違うのか?
ほとんど(というか妖星ゴラス以外)の隕石接近モノは、隕石が地球に接近する前に、何とかしようと、人類が頑張るわけです。隕石を破壊するとか、軌道を変えるとか、そーいう努力をね。
「妖星ゴラス」は、違います。隕石には手を触れません。なんつっても、質量6,000倍ですからね、歯が立ちません。ということは、残った選択肢はひとつ。地球を動かしちゃいます。
わぁぁ、隕石だぁぁ、危ないから避けちゃえ、ヒョイってなもんです。
そんなアホな、、、と思われる人もいましょうが、それが現実です。ツライからといって目をそむけてはいけません。
「妖星ゴラス」が接近していることを知った人類は、南極に核融合ジェット推進装置を作り、地球を動かそうとする。限られた日数の中で、事故は起きる、怪獣は出てくる、しかも妖星ゴラスは日に日に質量を増大させていく、核融合ジェット推進装置は完成するのか?地球は、妖星ゴラスを避けられるのか?
ま、避けられるんですけどね。
んでも、質量6,000倍の隕石って、すごすぎ。太陽系最大の惑星、木星ですら、地球質量の318倍ですからね。そりゃ避けるしかないわなって思えちゃう。
この妖星ゴラスの設定って、絶対おかしいと思うんですよ。
地球を動かすってそんな無茶な、、て誰でも思うはず。だって地球は猛スピードで太陽の周りをグルグル回ってるんですよ。しかも絶妙な位置関係で太陽の恩恵を受けているわけです。ちょっとでも内側に入れば、地球気温はバンバン上昇し外側に動けば、寒冷地獄に陥る。あと、月はどーした。ほったらかしか、おい。
ツッコむところは無尽蔵に出てきます。
でも、ここで、ふと考えます。地球を動かすことは、もしかして可能なのか?って、考えがアタマをよぎる。よぎんなよって思われる方もいましょうが、ここまで大風呂敷を広げられると、感覚がマヒしちゃうのですな。科学的整合性もまるっきり放棄して、物語はひたすら人間ドラマに終始します。当時は、米ソが冷戦中なので、とりあえずそーいうわだかまりをひとまず置いといて、協力しようとか、国連に予算が無いんで、計画が進まなくて一悶着あるとか、案外しっかりとした流れで物語が進んでいきます。
トンデモ映画でも、平成ゴジラシリーズに比べて、妖星ゴラスの評価がそんなに低くないのは、しっかりとした脚本のせいではないかと思うのだ。でも、科学的考証は最後の最後までほったらかし。気持ちいいくらいにバッサリと。
「これから地球の位置を戻さなきゃ」「これからが大変だ。でもがんばろう」っつって、今度は北極にジェット推進装置を作るぜ!って感じで終劇を迎えるんですが、、、、まてまてぃ、そんな悠長なことを言ってていいのか?!
宇宙ってのは、地球上ほど、抵抗があるわけじゃないので、一旦加速がついちゃうとグングン、スピードが上がっていくわけで、北極にジェットが出来る前に、人類は滅亡しちゃう可能性大だぞ。
そんな観客のツッコミだけを木っ端微塵に砕いて妖星ゴラスは、宇宙の彼方に去っていきました。
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翼よ、あれがタイムパラドックスの光だ。ゴジラvsキングギドラ
- 2007-09-01 (土)
- 映画
ヘンな映画を見ると、逆にワクワクする。B級嗜好が日々加速しているよーな気がしてならないが、今回ご紹介の「ゴジラvsキングギドラ(1991年)」(以下ゴジギド)」も最初の数分だけ、でビビビッ!とB級センサーが反応した。見終わった後は、センサーの針が振り切れるくらいのB級ぶりだった。サイテーでサイコーである。
何が「ゴジギド」を最強のB級映画にたらしめているか?
それは、ひとえに「タイムトラベル(時間旅行)」モノであったという一点に尽きる。詳細は置いといて、まずは、冒頭のあらすじ。
現在の日本に、23世紀から未来人がタイムマシンに乗ってやってくる。
彼らは、23世紀でゴジラが大暴れして大変なことになっているので、ゴジラをこの世から葬ることにしたと告げる。ゴジラは、第二次世界大戦中にラゴス島に生存していたゴジラザウルスが、終戦後近海での水爆実験により、巨大化しゴジラとなったという。だから未来人は、ゴジラを誕生させないために、戦時中のラゴス島に行き、ゴジラ化する前に、ベーリング海に移動させようというのだ。
折りも折り、現代日本にゴジラが接近していることが判明し、その被害を憂慮した日本政府は、未来人の申し出を受けることにする。
そして、未来人と戦時中のラゴス島関係者など現代人3名は、戦時中のラゴス島にタイムトラベルし、ゴジラザウルスをベーリング海に転送する。無事ゴジラザウルスを転送できた一行は、ホッとした面持ちで現代に帰還する。がしかし、新たな事実が彼らを待っていた。「ゴジラ反応は消えたけど、代わりにキングギドラが現れた!!!」
とりあえず序盤の20分くらいのあらすじ終わり。
まず未来人が、チャックウイルソンってところで、B級センサーがビンビン反応する。大森監督は、よりによって未来人にチャックウイルソンをキャスティングしたんだろうか?プロデューサーの強い意向なのか?謎だ。しかも片言の日本語を話させている。もちろん演技なんかなっちゃいない。
もしも翻訳機が進歩したのであれば、チャックに英語を話させて、日本語をかぶせればいいし、もし日本語が世界共通語となっている、もしくは未来人は多言語を話すことが出来るというのであれば、ピーターバラカンあたりの日本語の流暢な人を充てればいい(ピーターバラカンが出演するとは思わないけど)。
観客はチャックで先制パンチを受け、そこでまず全ての思考能力を奪い去られる。
この映画は考えてみちゃダメなんだなぁと再認識するのである。そしてタイムトラベルとなると、さらにB級暴走は加速していく。もう止まんない。
あらすじにも書いた通り、ゴジラザウルスをベーリング海に転送しひと安心かと思いきや、現代に戻ってくると、日本は新たな脅威に晒されている。
「ゴジラ反応は消えたのだが、今度はキングギドラが現れた!!」ってそーいうことを言うのだ。本当に!!
すっげー!タイムパラドックス!!
奥さん奥さん、これがタイムパラドックスってやつですわよ。
僕は、ここまでタイムパラドックスについて無頓着な映画を知らないし、多分これ以上に無頓着な映画は出てこないと思う。映画バックトゥザフューチャーや漫画ドラゴンボールでタイムトラベルは扱っているんだけど、深く突っ込めばアラが出て来るとはいえ、説明をしようとする意思は感じた。頑張って辻褄を合わせようとしていた。この意思が、大切。たとえ科学的・論理的に間違っていてもハッタリを貫き通すことにSFの面白さがある。
「ゴジギド」にはそーいう意思は全く感じられない。ゴジラは娯楽映画だから細かいこといいじゃーん、って人もいるんだろうけど、その大味な部分がゴジラ映画をつまんなくしてるのだ。って、いかんいかん、そーいうB級テイストを楽しもうというコーナーだった。
どこら辺がタイムパラドックスなのよ、そもそもタイムパラドックスってなにさ。
っていぶかしげな人のためにちょいと説明。タイムパラドックスっていうのは、タイムトラベルで過去に行った場合、色々と矛盾点が出てくることを指す。
たとえば、過去に行って自分の祖先を殺しちゃった場合、どーなるか?
祖先がいなくなるから、現在の自分もいなくなる。現在の自分がいなくなるってことは、過去に行って祖先を殺しちゃう人間がいなくなる。ってことは現代の自分は存在してて、んで過去に行って祖先を殺しちゃって、、、、、ってな感じで堂堂巡りで、頭がこんがらがっちゃうじゃない。それがタイムパラドックス。
ゴジラの場合も同じ。過去に行って、ゴジラの誕生を阻止したとすれば、未来においてもゴジラはいないわけで、そーすると、未来がゴジラによって脅かされることもなくなり、ってことは未来人が現代に来ることもないわけで、そもそもゴジラが現れないということになると、ゴジラに殺される予定の人達も、健在になっちゃうわけで、未来図にも多大な影響が出てきちゃうし・・・Theタイムパラドックス。
とにかく未来においてゴジラが出てきたから、過去に行ってゴジラの誕生を阻止しましょ♪そーしましょ♪
なーんて簡単な問題じゃないのだ。ほいほい手を出しちゃいかんのよ。
それをやっちまったのだ、大森監督は(脚本も大森一樹)
7万歩くらい譲っても、戦時中から現代に帰還した未来人&現代人一行に向かって、「ゴジラ反応は消えたのだが、、、」というシーンはあまりにも酷すぎる。だ・か・ら~、過去の時点でゴジラがいなくなったってことは、ゴジラ反応が消えたとか何とか言っちゃう前に、現代においてゴジラは初めから存在しないんだってば。
んで、ゴジラザウルスをベーリング海に転送した際に、未来人はグレムリンに出てくるギズモのような小動物3匹をこそっとラゴス島に放つ。それが、水爆実験の影響で、3首竜のキングギドラになっちゃった、って設定なのだ。深く考えちゃダメだ。深く考えちゃダメだ、、、と言いきかせても、自分の心にウソはつけない。なんじゃそりゃ!
水爆はなんでもありか!!ありなのか!!
ゴジラザウルスが、水爆実験の影響で巨大化してゴジラになったのを、200万歩譲ったとしても(譲んなよって心の声が聴こえる)、3匹の小動物が水爆実験で、巨大化のみならず「合体」した、、、って一体どーいう生物なんだ。
そんな水爆あるなら、オレとキムタクをラゴス島に送りやがれってなもんだ。合体しちゃるわい。巨大化しちゃるわい。
とにかくもう前半の20分だけでこれだけツッコミポイントがあるのだ。
1時間半の中では、もう想像もしたくないほど、ツッコめる。こーいう映画が商業ベースで上映されたことを神に感謝したい。っていうか、一緒に神に感謝しようよ、ね、大森監督。
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