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どこで仕事をするか? - 個人事務所を設立しよう(2)

 どこで仕事でするのか?というのは、個人事務所の設立ホヤホヤの人だったら誰しも悩むところではないだろうか。選択肢としては、3つ挙げられるだろう。

(1)自宅
(2)事務所を借りる
(3)どこかの施設を利用する

 どれも一長一短あり、なかなか悩ましいところだが、僕が感じたメリット・デメリットを書いていってみる。あーそういう選択肢もあるんだ、と参考になれば幸いです。 

(1)自宅

 自宅で仕事をするのが色んな意味でベストだと思う。まず通勤に時間がかからない。徒歩0分である。雨の日の通勤ラッシュのような不快極まりない経験をもうしなくていいのである。自宅だから徹夜作業になったとしてもちょっと仮眠取れるし、自分用にカスタマイズされた仕事環境を構築できるし、物が揃っているというのも仕事をする上で便利だし。あと家賃を経費として計上できる、というメリットもある。

 もちろん良いことばかりではなく、上に挙げたメリットはそのままデメリットに成り得る。外に出る必要性が減るので出不精になる。退社して土日月火水、と5日経過したが、外出したのは2日だけ。その2日も人に会わなくてはいけない、という必然性があったから外出しただけであって、それが無ければ普通に引きこもっていただろう。

 自宅だから生活サイクルがめちゃくちゃになるのも気をつけなくてはいけない。好きなときに起きて、好きなときに寝る、というサイクルで気が付いたら昼夜が逆転していた、なんてありそうな話だ。もっとも僕の場合、昨日こそ仕事が立て込んでいてため徹夜したものの、基本的には1:00に寝て8:00頃に起きると言う規則正しい生活を送ってきた。土日であってもそのリズムはほぼ変わらない。
 朝食の支度などをしなくてよくなった分、妻の生活サイクルが乱れつつあるのはここでは触れるまい。

 僕にとって最大の懸念事項は、PCの周りが快適空間ということだ。PCの前が一番くつろげるようにしてあるので、日々その誘惑に立ち向かっている。なにしろ、PCの隣にはテレビが置いてあるので、首を15度ほど右に曲げればテレビ見放題である。しかもスカパー完備でチャンネル選び放題。おまけにWii、Xbox360といったゲーム機も鎮座している上に、マンガも読み放題でインドア派にとってはパラダイスと言っても過言ではない。つかパラダイスを目指してこの環境を整えたわけだし。まさかその場所で仕事をすることになるとは想像だにしてなかったけども。

 

(2)事務所を借りる

 自宅に誘惑が多いならば、仕事に集中できる環境を別に用意することもアリ、だと思う。いや、金銭に余裕があるのであればぜひ借りるべきだ。個人的に、仕事とプライベートはやはり切り分けた方がいいように思う。結構ダラダラと仕事しがちだし。

 どこを借りるか?普通に事務所を借りると高くつく。2~3畳くらいのスペースで十分だって人も多いだろう。SOHO用のオフィスを貸し出しているところもあるので、「SOHO オフィス」「レンタルオフィス」などのキーワードで探してみてほしい。うまくいくと、月額3万円くらいのオフィスを借りられるかもしれない。

 公の機関が提供している小規模事務所を探すと言う手もある。「インキュベーション施設」で検索するとそれっぽい団体や施設が見つかる。大抵どんな自治体でも中小企業支援みたいなことをやっているので調べてみよう。前に勤めていたドラゴンフィールドの向かいのビル、ちよだプラットフォームスクウェアでも小規模事業者用の事務所を提供していましたな。ただ、格安でオフィスが見つかるかもしれないが、創業X年以内、契約はX年までで延長不可、なんて条件が設けられているところもある。

 

(3)どこかの施設を利用する

 自宅では仕事し辛いし、さりとて事務所を借りるほど金銭的余裕が無い場合は、どこかの施設にノートPCを持ち込んで仕事をする、という選択肢もある。図書館、喫茶店、ファミレス、などなど利用できる施設は案外多いが、コーヒーを何杯もお替りしながらどれだけクリエイティブな仕事に励めるかは疑問。J.K.ローリング氏が、喫茶店でハリーポッターを書き上げた例もあるし、意識次第かもしれないけど。

 ネットカフェだと、格安でPCの前に陣取れる。自分の仕事用にはカスタマイズされていないが、Gmail、Googleドキュメント(前Google Docs&Spreadsheets)といったブラウザーだけで完結するサービスを駆使すれば、ネットカフェのPCでも十分仕事ができるかもしれない。文章をGoogleドキュメントで書いてって、後で自宅に帰ってきてそれをきちんとWordにまとめるとか。

 

僕の選択

 近くに(といっても駅5つくらい離れたところだけど)手頃なレンタルオフィスを見つけたのでそこに拠点を構えることも考えたのだけど月額3万円の家賃は現在の状況だとちょっと厳しいので、ある程度仕事が軌道に乗ってきたらそこに移ろうかと思っている。事務所用のPCを用意しなくてはいけない、とか、定期券とか、そーいう出費もちょっと痛いしね。

 というわけで、結局今は自宅で仕事をしている。誘惑が多いので仕事にならないのではないか、という懸念は今のところ大丈夫だった。独立後、いきなり仕事の話をいただき、スケジュールがタイトと言うこともありそれにかかりっきりになっている事情もある。むしろ会社にいるときよりも忙しく、色々な手続き(個人事業所の開業手続きとか)が後回しになっているので、こちらも時間を見つけて行ってこないとなぁ。退社後、ニート生活を満喫するつもりで、ゲームをいくつか買ったのだが、封すら開けていない。トホホ。

さんま クワー(笑)

 ネタフルのコグレさんのブログ記事に乗っかってしまいますが、「ほぼ日刊イトイ新聞 – さんまシステム」記事中の「さんま クワー(笑)」は秀逸ですね。河野さんは、さんまさんらしくないという感想のようですが、この一文があるだけで、対談のさんまさんの箇所が、さんま口調に脳内変換されました。

 しかも、1回目、2回目共に、「クワー(笑)」って感じのさんまさんの写真が掲載されていて、なるほど、そういう手法もあるんだなぁ、と感心した次第。心憎い演出だと思います。

 インタビュー記事のまとめ方って本当に難しくて、僕自身も試行錯誤の真っ只中にいます。(ちなみに、僕の取材記事はこんな感じ
 スポイルし過ぎてもいけないし、そのまま掲載したら間延びするしで、そのバランスを取るのは難しいのです。媒体によってもその最適解って変わってきますし。ほぼ日、という媒体を考えた場合、この文体、文量が最適なんでしょうね。

あと、この対談記事を読んで気になったんのが1回あたりの文章の長さ。すごく短いですよね。平日毎日更新だとこのくらい短いほうがいいのかなあ。 (座談会のテキスト化は難しい:smashmedia)

 河野さんの記事にこういう一文があったのですが、これはほんと考えさせられました。前出の対談記事も1回分の文量は決して多くなく、しかも凝縮されてもいない。短いのにダラダラしているんですよ。これが3倍くらいの文量になれば多分読まない、というか飽きちゃうでしょうね。ダラダラしているからこそ、短く区切ったのかなぁ、とも考えます。

 僕は、個人ブログの記事であっても、きちんと論旨をちゃんとした文章で書くってことにこだわる癖があるので、こういう文章はほんと憧れますね。いつかは力の抜けた、でもライブ感のあるインタビュー記事を書いてみたいものです。いつもは固めのインタビュー記事しか書かないのでなおさら。

#河野さんの「今日から毎日抱くことにした(決意)」という記事タイトルにはほんとやられました。RSSリーダーで読むと、抱き対象の画像が出ないんですよ。smashmedia本体に、のこのことアクセスしてしまいました。なるほどそういうオチですか。

個人事務所を設立しよう(1)

 個人事務所を開くにあたり、決めなくてはいけないことが色々と出てくるし、多分設立後も色々と出てくるでしょう。たぶん、正解なんてない問題だと思うので、純粋に覚悟の問題なんでしょうね。現在大きなところの悩みは、サクッとこんな感じ。

(1)事務所名
(2)事業の形態
(3)当面の仕事

(1)事務所名
 個人事務所名は「コンパクトライフ」にすることが既に決まっている。昨年、夫婦でネーミング会議を開いたときにあっさり決まったが、夫婦で慎ましやかに暮らしていければそれでいいや、というポジティブなんだかネガティブなんだかよく分からない想いが込められています。
 ロゴはデザイナーをやっている義姉に依頼します。コンパクトライフの公式サイトがオープンしたときに、そこに掲載された理念、事務所名に込めた意味、仕事内容などの情報を基にイメージを膨らませてもらおうと思っています。ちなみに設立日は2月1日の予定。

(2)形態
個人事務所としてやっていくのか、株式会社にするのか、はたまた別の形態にするのか、今も悩み中。日経BPに連載されている「節税できる? 中年ライターの会社設立奮闘記」の記事では、

フリーランサーでも、ある程度の所得に達したら法人化したほうがなにかと有利ということは広く知られている。ものの本によれば、(業種・業態によって異なるものの)一般に所得が400万円以上あれば法人化したほうが税法上のメリットも大きくなるという。

、とある。
 今年400万以上の売り上げが見込めるとは全然思ってないけど(ちなみに、会社の年収とほぼ同じ額)、ゆくゆくは400万以上の売り上げを目指していかないといけないわけで(そうでないと会社を辞めた意味が無い)、それを考えると最初から株式会社を設立した方がいいのかなぁと思ったりもする。個人事業者、あるいは合同会社(LLC)から始めて、事業が軌道に乗ってきたら、株式会社を設立すると言うのも、ひとつの「テ」だと思うけど、何が正解なんやろね。色んなサイトや書籍を読んでみたものの読めば読むほど迷うばかり。

 両親や義理の両親に、「退社してフリーになったんすよ」と報告するよりも「退社して会社立ち上げたんすよ」って言った方が、ショックを与えないないかな、なんてオトナの事情まで考慮してると、もう何がなんだか。そういえば、レギュラーって「あるある探検隊」を封印してるんだってね。分かるよその気持ち。色々と迷うよね。

(3)当年の仕事
 これが一番の問題。イカした事業所名や最適な事業形態も、儲からないことには意味が無い。
 ありがたいことに色んなところからコラムを書きませんか、とお声がけいただいているので、それらを前向きに請けていこうと思ってます。んで今連載を持っている、インプレスR&Dの「Web担当者 現場のノウハウ」に関しては、次回以降はまだ未決定なのですが、引き続きやれればいいなぁ。ただ、それらの収入を合算しても到底400万には届かないので、他に収益を柱を作らないとね。

 現在僕が編集している週刊e-Reportも「外注でどう?引き続きやってみない」と会社の偉い人から言っていただき、涙が出るほど嬉しかったのですが、一方で新生e-Reportに生まれ変わる絶好の機会とも思っているので、こちらはお断りしました。退社の日までに、編集のノウハウ、特に「ニュースの目利き」に関しては、形にしたいですな。

 

 昨年後半から、購読しているブロガーさんが次々と独立宣言されてて、別にそれに触発されたと言うわけではないのですが、仮想同士ってことにして、負けないように頑張っていかな、と思っています。

独立開業(to-R)
松下電器を退職してネット家電を企画販売するベンチャーを起業(キャズムを超えろ!)
退職報告及び自己紹介(Geekなぺーじ)

突然のめまいに襲われた話

浜崎あゆみ 左耳の聴力を失ったことを告白 (AFPBB News)

  浜崎はウェブサイトのブログ上で去年、耳の検査を受けた事を明らかにし「左耳は完全に機能しておらず、治療の術はないと診断された」と告白。今後の活動については「限界まで歌い続け、プロとして最高の歌を届けてみせる」としている。

 突発性内耳障害が悪化し、左耳が完全に聞こえなくなっている、ということで、とても他人事とは思えなくて、昨年、自分の身に降りかかった話を書きます。

 その日は朝から、立ちくらみのようなめまいに2、3度見舞われましたが、ちょっと風邪気味なんだろうと思い、別に気にすることも無く、妻と散歩に出かけました。

 数時間歩いて、帰途についている途中、ドーン!という衝撃がして崩れ落ちるようにその場にへたりこんでしまいました。瞬間、大地震だと思いました。ぐわんぐわん頭が揺れているものの、「大丈夫か?」と妻に言葉をかけます。

 妻は何事もないように傍らに立ってます。不安そうな妻の顔を見て、心配されているのは自分の方だということに気付きました。

 「すごい地震だったなあ」
 「え?地震」

 妻は、僕がいきなり座り込んだので、何かにつまづいたのだと思ったそうです。
 とりあえず何分か座り込んだ後、妻に手を貸してもらい辛うじて立ちました。しかし世界は揺れたまま。数歩ヨタヨタと歩いては休み、また数歩歩いては座り込み、を繰り返しほうほうの態で家に帰ってきました。タクシーに乗って帰る選択肢もあったはずですが、そのときはパニックになってて、とにかく歩いて家に帰らないという思いだけしか頭にありませんでした。前兆らしきものはありましたが、徐々に悪くなっていたわけではなく、突然平衡感覚に異常をきたしたので相当不安でした。

 帰宅すると少しは落ち着いたので、自分の身に起きたことを確認します。
 めまいは相変わらずですが、右耳に違和感があることを認識しました。泳いだときに耳に水が入ったときの違和感が感覚的に一番近いと思います。違和感はあるものの、聴力に異常はないようで、全く聴こえないというわけではありません。

 次の日、耳鼻科に行きました。まだフラフラするものの、なんとか歩けるくらいまでには回復していましたが、聴力を測定すると、右耳は高音部が聴こえなくなっていました。難聴や三半規管の不調によるめまいは、色んな要因によって引き起こされるので原因は特定できず、何日間か様子を見て、まだめまいが続くようならまた来るようにとのことでした。

 幸いにしてその後回復したのですが、今でもストレスがかかると右耳に違和感が起きます。その場にへたりこんでしまうほどのめまいは感じませんが、右耳の違和感は相当不快で気が滅入ってきます。違和感だけでこれなのですから、片耳が聴こえない不安は相当なものだと思います。

 片翼の歌姫がまた舞台で大きく羽ばたけることを切に祈っています。

(書評)自分の小さな「箱」から脱出する方法



 論語では「義を見てせざるは勇なきなり」と解いています。目の前で困っている人がいるのに、手を差し伸べようとしないのは勇気が無い、という意味合いですが、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」(大和書房刊)は、その「義を見てせざるは勇なきなり」を米国的なアプローチで解説している本です。

 一時期話題になった「鏡の法則 人生のどんな問題も解決する魔法のルール」も言わんとしている方向性は一緒なのですが、こちらはそれこそ先祖の霊が泣いていますよ的な、お涙頂戴なアプローチなわけです。理ではなく情に訴えると言うか。読者の9割が泣いたそうですが、僕は少数派みたいですね。読む価値が無いとまでは思わないけど、自分自身と真摯に向き合う覚悟がある人は、「自分の小さな「箱」から脱出する方法」をオススメします。

 さて「自分の小さな「箱」から脱出する方法」では、「箱」という表現で自己欺瞞を説いています。つまり見て見ぬ振りをしたときに、自分を正当化するために言い訳をしますが、それが自己欺瞞の第一歩です。自己を正当化すると、他者を貶め、現実を自分の都合の良いように捻じ曲げて解釈します。

 そして正当化した自分の行動を自分の性格として振舞っている内に、そうして箱をいくつも使い分け、箱の中からしか物事を見ないようになっていきます。箱の中にいる限り、他者は貶める対象としか捉えないので、夫婦、親子、同僚、上司、全ての人間関係がギクシャクする一方です。心に湧いた「義」や「仁」を無視して行動することが積もり積もって修復不可能な事態にまで発展してしまいます。

 Amazonでは冒頭の何ページかを読むことができるのですが、続きが気になった人はぜひお買い求めいただきたいと思います。こうした自己啓発系の書籍はほとんど読んではいない、というか(鏡の法則のようなうさんくさい本を結構多そうなので)避けていた分野なのですが、この本は理詰めと言うか、心ではなく頭で理解できたのでオススメです。

 いろんな自己啓発本やビジネス書がありますが、それらを読む前に、あるいはそういう本をたくさん読み過ぎて頭でっかちになってしまったときに、真っ先に読んでみてください。「オレばっかり損な役回りをやらされている」と人間関係に悩んでいる人はもちろん、「チームの生産性が上がらない」と頭を抱えている管理職の人もぜひ詠んでください。(今の上司なんて暗記するほど読んで欲しいところ)

 「箱」の外に出るための解決法も書かれていますが実践するのは難しそうです。しかしその道程は険しくても、キチンとその道筋は見えています。そこから逸れないように、一歩一歩歩いていけたらいいな、と思いました。

ライターの道は茨の道か

夢の印税生活(日経BP ITpro)

 矢沢久雄氏が、自身の印税収入を題材にしたコラムを掲載しています。ライターを目指す人がどれほどいるかは分かりませんが、ここに出ている金額は妥当な額です。僕も、書籍3冊を執筆し、現在は雑誌の連載1本を抱えていますが、これくらいの額になります。技術系ライターはほんと因果な商売というか、好きじゃないとやっていけないけど、好きでもやってられない仕事ですね。

 小説の場合、まず新書で出て、それから数年後には文庫化されて再度リリースされます。本が1冊出れば、2度美味しいのです。愛してやまない銀河英雄伝説なんて、徳間ノベルズとして出た後、愛憎版、徳間デュアル文庫、創元SF文庫と発行され続けていて、ほんと羨ましい限りです。

 一方技術書は、技術の流行り廃りがあるので、1冊の本が何年にも渡って売られていくことは稀です。僕が書いたSEO本も、今年はともかく来年は増刷されることはないでしょう。ポジティブに考えれば、新しいネタが次々に出てくるので、書くネタには困らないということでもあるのですが。

 矢沢氏が、好きな言葉は”増刷”って書いてありますが、ほんとにそうです!増刷大好き!

 それはさておき、矢沢氏も指摘しているように、やっぱりライター一本でやっていくのは相当大変です。
 大変なことは重々承知の上で、その困難な道に挑もうとしています。さてさてどうなることやら。

人生のタイミングでは、必ず河井継之助の言葉を思い出す

自宅にはあまりに読み過ぎてしまった為に、表紙がボロボロになってしまった本が3つ(正確には17冊)ある。

ひとつは、「銀河英雄伝説」(田中芳樹著:徳間書店:全10巻、外伝4巻)
次に、「競馬必勝本の新理論 バージョン8」(KKベストセラーズ)

そして、「峠」(司馬遼太郎著:新潮文庫他:上下巻)である。この3つの本は、僕の人格形成に大きく影響を与えているが、今回は、「峠」について語ってみる。

「峠」は、幕末を生きた長岡藩士「河井継之助(かわいつぎのすけorつぐのすけ)」の半生を綴った歴史小説である。
彼は、幕末の乱世において、長岡藩家老上席として、長岡藩を幕府にも薩長にも迎合することない武装中立の一都市に仕立て上げようとした人である。だが、血と戦を欲する時代の前に、彼は42才の若さで、その志半ばで戦場に散っていった。

彼の人為を徳富蘇峰の言葉を借りて表現してみると、
「継之助は、西郷隆盛と大久保利通と木戸孝允(←彼らを維新の三傑という)を足したより大きいとは言えないが、彼らを足して3で割ったよりも大きかった」

小国の一家老に、ここまでの評価を下されるというのは、かなり特殊なのではないだろうか。凄え。

実際の業績は、「峠」を参照していただくとして、僕が最も惹かれるのは、彼の行動力・判断力・決断力などなど、全て私には無縁な「力」を持っていて、それを駆使し得た、という事実。ほんと憧れる。

僕は相当に優柔不断な人間で、とにかく意志が弱い。ダメダメなんである。問題が起きれば、逃げ出したいし、巻き込まれたくない。でも、いい格好はしたい。そんな人間である。

それでも断固たる決意で、事態にあたらなくてはならない時が、年に数回やってくる。来年早々に退社し、新たなる人生を踏み出さん、としている今現在も迷いの中にいる。逃げ出したい。全部放り出したい、という誘惑が頭をもたげてくる。そんな時私は、迷いを吹き飛ばし、渇を入れてくれる、「峠」の一小節を思い出す。

これは、滅び行く徳川家のために一肌脱ぎたいという主君に対して、継之助が思索を巡らすというシチュエーションでのセリフである。もちろん継之助は無用なトラブルは避け、国力を温存したいと考えている。(新潮文庫版「峠」上巻:537P)

そんな甘さで、今後、時代の大暴風(おおしけ)のなかで藩の舵が取ってゆけるものか。
たとえば、こういうことだ。藩のためにもなり、天下のためにもよく、天朝も喜び、幕府も笑い、領民も泣かさず、親にも孝に、女にももてる、というような馬鹿なゆきかたがあるはずもない。
何事かをするということは、結局はなにかに害を与えるということだ。何者かに害を与える勇気のないものに善事ができるはずがない。(一部抜粋)

迷いの中にいる時、このセリフはガツンと効く。
(確かにこのセリフは、司馬遼太郎の創作であることは分かってるんですが、彼の生き様を見事に捉えたセリフと言えましょう)

ただこの考え方を拡大解釈しちゃうと、「自分が信念を持って行動すれば、多少の犠牲なんて気にしないぜ」となり、自己中が加速する恐れがあります。要注意。

ともかく「峠」は、私にとっては「竜馬がゆく」よりも体温が上がるアツイ作品です。ご一読あれ。

Googleエイジングフィルタにもどかしい日々が続く

このブログを開設したのが、8月下旬。それから3ヵ月半経過したわけだが、なかなか検索に引っかかってこない。オープン後の半年ほどは検索対象から外される、あるいは検索順位が低く設定されるといういわゆるエイジングフィルタ(Aging filter)に引っかかっているのだろうと思うのだが、分かっていてももどかしい。

エイジングフィルタだと思っているけど、実は検索エンジンにクロールされていないんじゃないのか、あるいはGoogle八分にあっているんじゃないのか、という不安に駆られるのである。特にこのブログはあまり宣伝活動をしていないので、天文的な確率で辿り着いた人達しか見てくれていない。徐々に増えてきてはいるものの、微々たるものだ。

ネタフルのコグレさんは、「とりあえず半年は辛抱して続けること」と語っているが、半年経てばエイジングフィルタが解除されて、検索に引っかかってきやすくなる、という意味も含まれている。頭では分かっているが(SEOの本を書いたくらいだし)、不安は消えない。

3ヵ月後の僕がこの記事を読んで、「そんなことで悩むことなかったのに」と笑ってくれるだろうか。

インタビュー記事で大切にしているコト

 昨日、デジパ加藤さんにインタビューをしました。興味深い話が聞けましたので、頑張ってまとめます。なお、この取材記事は、来年1月末発売予定の「Web担当者 現場のノウハウ vol.10」に掲載予定なのでぜひご確認いただければ幸いです。

 色んなタイプの記事を書きますが、とりわけインタビュー記事はいつも難産です。どこが一番のネックになってくるのかと言えば、インタビューの話をそのまま記事化できないから。人の話というのは想像以上に、色んなところに飛んだり、重複したり、辻褄が合わなくなったりします。それをダラダラと書いても、間延びする上に密度が薄くなるだけなので、ひとつのストーリーとして構成し直すこととなります。

 この再構成の作業がとにかく悩まされる。まずは取材の内容を記録した音声を元に書き起こし、それをさながらジグソーパズルを解くように再構成してひとつのストーリーとなるように仕立てます。インタビュー記事を書き始めると、ずーっと頭の中で再構成作業があーでもこーでもないと繰り返し行われます。取材を受けてくれた人が一番何を訴えたいのか、何を一番大切に思っているのか、を一番効果的に伝えるためにはどういうストーリーを紡いでいけばいいのかギリギリまで悩みます。

 通常のマスコミの取材とはその辺りが一番異なっているかなぁ、と思います。マスコミの取材は往々にして既に結論があり、その結論を補強するために識者に取材します。インタビューする時点ですでにバイアスがかかっていて、その意見を代弁させるために、権威ある人の言葉を借りる、と言い換えてもいいのですが、そして発せられた言葉を、より視聴者・読者受けするように、曲解することもしばしば起こります。

 Webの登場で、全世界に向けて自分の意見を主張できるようになった今だからこそ、自分が主張したいことを取材対象者の言葉を借りて主張するような姑息な行為は決してしように肝に銘じています。

他人とは思えない、The Simple Dollar の中の人

「のるか、そるか」転職にまつわる不安と希望の一事例
http://lifehacking.jp/2007/11/making-tough-decisions/ (Lifehacking.jp)

 現在の今の自分の状況と極めて似ている、と思われる人のブログを紹介した記事です。抱えている悩みがまんま自分と同じなので、とても他人と思えない。というか、悩むポイントはやはり同じなんだなぁ。

「普通の人のためのファイナンシャル・アドバイス」をテーマとしたブログ、The Simple Dollar の著者が、まさにいまこうした決断の瞬間にいます。彼は現在勤めている会社を辞めて、The Simple Dollar を含めた複数の著作業へとシフトすべきかどうか、ぎりぎりの選択をしようとしています。

 僕自身も、会社を辞めようと考えていて、会社にはすでにその旨を伝えています。そして、できれば文筆業だけで生活したいとの希望を持っています。今の会社にいて、自社で発行している雑誌の編集長業の傍ら、3作の著書と1冊の連載誌、あとはCNETへの寄稿を手がけているわけですが、果たしてフリーになってその実績でやっていけるのか否か、という不安はあります。

 以前、あるイベントで、アキバblogの管理人の方のお話を聞く機会がありました。そのときに、(お金をもらって記事を書くことの是非についての答え、という文脈で)「自分が好きなことを書きたい(のでお金をもらって記事を書くことはしない)」と答えていたのを痛烈に覚えています。

 「好きなことや興味のあることを大人のしがらみ無しで書いて、それで生活できる」というのが、今現在僕が望んでいる最高のライフスタイルなわけです。それを実践しているアキバblogの人はカッコいいな、と純粋に感じました。自分ひとりなら、そういった賭けに出られるのですが、子供はいないものの妻がいるとそうはいきません。The Simple Dollarの人も「収入そのものが不安定になる危険性がある」を転職の懸念材料にあげていますが、本当に頭の痛い問題です。

 今後、数ヶ月のうちで答えを出さなくてはいけません。さぁどうしたものか。

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