[レビュー]映画「魁!!男塾」

(映画「魁!!男塾」のレビュー記事ですが、ネタバレを含んでいますので、ご注意ください) 

 どれくらい魁!!男塾のファンかと問われれば、暇があれば男塾の単行本を読み返す日々が続き、これではいかん!時間の浪費だということで、断腸の思いで全巻を古本屋に売り払ったものの、ほんの数週間で男塾禁断症状を発症し、文庫本版をあらためて買い直した、というくらい(実話)、男塾が好きだ。

 マイベストバウトは、赤石剛次 vs 宋江(梁山泊)です。(血染めのシャツのエピソード、血栓貫&「この男にとって、相打ちなどは敗北であって、勝利ではない」という邪鬼の言葉も含めて、イカしています)

 若かりし頃、長崎県立図書館に、民明書房から出ているはずの「蛇轍槍」(じゃてっそう、伊達臣人の武器)の文献を探しに行ったのも良い想い出。(暁!!男塾は6巻まで買ったものの売り払いました。真面目と不真面目のバランスが崩れて、笑えないギャグ漫画に堕してしまった)

 というほど、男塾ファンなのでありまして、もちろん映画化された「魁!!男塾」もちゃんと見てまいりました。

 結論から言うと、悪くなかったですよ。ええ。しっかりと原作へのリスペクトを感じましたし、キャスティングもほぼ満点だったと思います。虎丸・赤石がちょっと華奢だったかなぁ、とは思いますが許容範囲。剣桃太郎役の坂口 拓、富樫源次役の照英をはじめとする主役陣はもちろん、田沢 慎一郎役のタケタリーノ山口(瞬間メタル)、松尾 鯛雄役の与座 嘉秋(ホームチーム)もハマってましたね。富樫をたぶらかす役で、山崎さん(マジレンジャー)が出ていたのも個人的にポイント高し。

  じゃあ手放しで勧められるかというと、ちょっと微妙。超映画批評のレビューを引用すると、

初監督と脚本も兼任する坂口拓は、マジ当て格闘スタントで知られるアクション俳優。かねてより、男塾の大ファンだという。その熱意は、演じる主人公・剣桃太郎の徹底した役作りや本気のアクションから伝わってくる。フィルムの早回しかとおもうほど回転が早いパンチの連打や、顔にきっちりあてるハイキックその他、やってる事はたしかに凄い。

ただ、男塾の実写化を作るには、彼は生真面目すぎる。リアルアクションにこだわるそのプロ意識は、スタントマンとしては最高のものだが、この素材を調理するのに必要なのはもっと肩の力を抜いた"ユーモア"なのだ。

『魁!!男塾』は、決して"戦いがカッコイイ!" から人気があるのではなく、どうみてもありえない行動その他を、異様に濃い絵柄とセリフで押し通してしまう、ちょっとイタ寒い世界観こそが愛されているのだ。ここを再現しきれていない以上、高得点はあげられない。

 僕も同感です。
 男塾の実写化に期待するのは、ジャッキーチェンのような演者の痛みが伝わるようなアクションではなくて、カンフーハッスル(少林サッカーでも可)のような有り得ないくらいの荒唐無稽なアクションなのです。人が何mも吹っ飛んだり、有り得ない体術の数々、そーいうのを見たかったのです。

 伊達vs桃戦では、伊達が三節棍にしか見えない蛇轍槍を振り回して桃にドーン!って、ちがーう、蛇轍槍は蛇のように複雑にクネクネ動いて相手に襲いかからないと!
 蛇轍槍の矛先が悲しくなるくらい作り物感全開だったのもちょっとねぇ。

 そもそも最後には、伊達・桃ともに武器を捨てて、素手で殴り合うって。たしかに痛みが伝わってくるほどのアクションなのは分かるんですが、男塾に痛みを感じさせるようなシーンは必要なのかどうかってのは疑問です。もっとも予算が十分あれば、CGやワイヤーアクション全開で男塾ワールドを実現できるのでしょうか。そういった意味で次回作に期待したいところ。ぜひ、爽快アクションを見せて欲しいと思います。

#尺の都合からか、原作の「驚邏大四凶殺」ではなく、驚邏大三凶殺とバトルがいっこ減っていますが、そのカットされた「雷電vsJ」は「驚邏大四凶殺」の中でもちゃんとしたバトルだったんで、ちょっと残念です。 

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