万能だけど万能じゃないそんな泥臭さが好きさマジンガーZ

幼い頃に、「マジンガーZ」に出会えたのは、僕にとって最高に幸せなことではなかっただろうか。このアニメが、僕の感受性にいくばくかの影響を与えているのは間違いない。少なくとも、マジンガーZに出会った僕は、マジンガーZに出会えなかった僕よりもはるかに、面白い人間になっているはずである。

1972年放送開始ってことは、僕は2才である。たぶん、リアルタイムで見ていたかどーか、ちょっとアヤシイ。再放送だったのかもしれない。マジンガーZは、人間が搭乗するタイプの初(たぶん)ロボットアニメであり、その後のロボットアニメに多大な影響を与えた。 マジンガーZは、地球上で最も硬い超合金Zで身を包み、夢のエネルギー光子力で動き、しかも全身武器のカタマリ。胸部放熱板から発射されるブレストファイヤー、敵を追尾し飛んでいくロケットパンチ、口からは強酸を含む強風ルストハリケーン、目から放たれる光子力ビーム、兜十蔵博士は孫の兜甲児に、「マジンガーがあれば、神にも悪魔にもなれる」といい残し、息を引き取った。それほど完成度の高いロボットだったのだ。

対するドクターヘルの機械獣軍団は、性能でマジンガーに劣る。超合金Zも光子力も持ってないので。そこで、ドクターヘル&配下のアシュラ男爵などは姑息な作戦を使って、マジンガーを倒そうと画策する。(アニメと漫画版のエピソードがごっちゃになっています)

1:主人公の家を夜襲。
マジンガーがいかに強力でも、搭乗者は生身の人間。搭乗前に殺ってしまえばマジンガーはただの鉄のカタマリ。ってことで、搭乗者・兜甲児の自宅に夜襲をかけるものの失敗。その後、兜甲児はマジンガーを置いてある光子力研究所に居候の身となり、身辺警護をしてもらう。夜も安心。

2:主人公を狙い撃ち。
マジンガーを上空に持ち上げ、落としてしまう作戦。マジンガー自体はその衝撃に耐えられても、兜甲児は生身の人間。その衝撃に耐えられないはず。たしかに一回目の作戦は成功し、兜甲児は大ダメージを受ける。しかし、その後、衝撃にも耐えられる戦闘服が完成。ある程度の衝撃には耐えられるようになる。

3:マジンガー、水中は苦手。
陸上戦では無敵を誇るマジンガーですが、水中戦は不得手なことが判明する。光子力ビームは乱反射のためまっすぐ飛んでいかないし、ブレストファイヤーも威力半減。
しかも水中では、思うように動きがとれない。そこで、アメリカより光子力研究所所長弓教授の親友スミス博士が来日、マジンガーを改良する。足の裏に、水中用の推進装置を内蔵。光子力ビームも改良され、水中戦もオッケーに。

このように、敵もあの手この手を使って、マジンガーのウィークポイントを狙ってきます。万全に思えたマジンガーも実は、完璧ではなかったのです。しかし、苦戦はするものの、その都度、ちょっとした改良を加え、なんとかその弱点を克服してきました。 しかーし、ここで大弱点が判明。

マジンガーZは、空を飛べないorz

リアル系ロボットでは、単体で空を飛べないロボットというのは結構存在します。ガンダム、サブングル、エルガイムなどなど。しかし、スーパーロボット系ロボットで空を飛べないのは、マジンガーZくらいのものではないでしょうか。その弱点にいち早く気付いたドクターヘルは、配下のブロッケン伯爵に、空飛ぶ機械獣軍団(分かりやすいネーミング)を与え、マジンガー攻略にあたらせる。

んで、1、2ヶ月ほど、マジンガーの苦戦が毎週続くわけですよ。さすがのマジンガーも攻撃が届かない上空からの攻撃には手を焼きます。見ててハラハラするくらいの辛勝っぷりで、子供ココロにも、「やべーよ、マジンガー、このままだと負けちゃうよ。空飛ばなきゃ、空!!」と手に汗握ります。マジンガーが空を飛ぶ!ってのが、シリーズ中盤のカギを握っていました。 そんな中、テレビくん、テレビマガジンのよーな、子供向け雑誌には、「ジェットスクランダー」なるものの存在がリークされます。 「こ、これは、マジンガーの新兵器?!」「マジンガー、飛べるん?」 時を同じくして、テレビでは、来週あたり負けちゃうよってくらいには、マジンガーが追い詰められています。

さぁ、盛り上がってきました。
そして34話では、ついに「ジェットスクランダー」の開発が行われていることが明らかになります。「ジェットスクランダー」は、マジンガーの背中にカチャッと合体する飛行マシンだったのだ。これで飛べる。着々と開発が進められていきますが、ドクターヘルも手をこまねいているわけではありません。開発中のジェットスクランダーに攻撃を仕掛けてきます。

ガーン!!ジェットスクランダーが、破壊されてしまった・・・。

あああ、、、ジェットスクランダーが、、、テレビの前の、何千万人の子供の悲鳴が聞こえてきそうです。おそらく泣き出した子供もいたでしょう。僕は泣きませんでした。正義を信じていたからね!

高笑いするドクターヘル&ブロッケン伯爵。ちょっと悔しげなアシュラ男爵。 が、破壊されたのは、実はダミーであったことが判明。本物は、ちゃっかり完成したのでした。僕もこぶしで涙をぬぐいます。泣いてなんかないやい。
とはいえ、完成したばかりでテスト飛行すらしていません。こうなればぶっつけ本番で試すしか!(この「ぶっつけ本番」って、ロボット系では王道。新兵器は切羽詰った状況下で、大抵テスト無しに投入されます)

「行けるかね?甲児君」確認する弓教授。
「お願いします。弓教授」覚悟を決める兜甲児。

そして、ジェットスクランダーが、大空に発射! ここで挿入される挿入歌名は「空飛ぶマジンガーZ(唄:水木一郎)」!!「♪3・2・1・0・発射!! 大空はばたく紅の翼 その名はジェットスクランダー。

大空を舞うジェットスクランダー、それにタイミングを合わせジャンプするマジンガー。大空で、合体!(スクランダークロス)。ついにマジンガーが翼を手に入れました。大空を舞うマジンガーは、今までのお返しとばかりに、ぶっちぎりの強さで、空飛ぶ機械獣を撃破した。 いかん、目が潤んできた。おそるべし幼児体験。それほどまでに、このカタルシスは、筆舌に尽くし難い。

次シリーズ「グレートマジンガー」でも、中盤のパワーアップで「なんとかブースター」を開発したり、次々シリーズ「グレンダイザー」でも、同様に「なんとかスペーサー」が出てきたりするけど、この「ジェットスクランダー」登場のインパクトに勝るものはない。 孫悟空が、超サイヤ人になるくだり(クリリンを殺された怒りで超サイヤ人に変化する)は、やはり同様のカタルシスを感じるけど、超サイヤ人2、3、4(4はアニメ版だけ)になるに及んでは、全くカタルシスを感じないのと同じである。

やはり、二番煎じ三番煎じの感動は、最初の感動に遠く及ばないのである。 話を戻す。ジェットスクランダー登場に合わせ、「空飛ぶマジンガーZ」という挿入歌が用意されていることからも分かるように、マジンガーが空を飛ぶってことがいかに重要なイベントだったか分かる。ほんと、全国数千万人の子供達が切望していたのよ。

うーんと、「ジェットスクランダー」の造形についても、記しておこう。単独飛行時は、∧状なんだけど、合体すると翼が可変して、∨状になる。かっこえー。あと、翼から発射される手裏剣っぽい武器の名前が「サザンクロスナイフ」。もう一度「サザンクロスナイフ」。うーん、この語感がなんとなく好き。子供ができたら、「サザンクロスナイフ」って名付けちゃおうかな。

この後も、ロケットパンチにアイアンカッターという刃が付加されたり、ひじ部分からドリルミサイル、耳から冷凍ビールが出たり、ホバーパイルダーがジェットパイルダーに変わったり、などのマイナーチェンジが施されることになる。 実は、マジンガーZは、子供月刊雑誌に情報をリークしていた関係上、1ヶ月に1回(4話に1回ってことね)は、なんらかのイベント(新武器、強敵、新キャラなど)が仕込まれていたのである、なーんてこともオトナになって知ったことだった。

そんなオトナな事情をまーったく知らない無垢な少年だった僕の夢は、ジェットスクランダーをくっつけ、空を飛ぶことだった。作文にも、「おおきくなったら科学者になりたい」って書いたっけ。ああ、ノスタルジー。 というわけで、ネットの空を雄雄しく飛び回りたいという夢を託してこのブログに「ネットスクランダー(NetScrander)」という名前をつけたのである。

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