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著者の立場から補足説明 → 本を書くことについて、読者が知らない8つの出版業界事情

【ビジネス】本を書くことについて、読者が知らない8つの出版業界事情 (B u s i d e a)

僕は現在まで共著も併せて4冊の本を書いています。

その経験を元に、上の記事に著者視点で補足してみます。

★著者は、出版社から自著を定価の80%で買える

たしかに買えますね。「Webマーケティング成功の法則75」のときは書籍を会社の販促ツールとしても使うということだったので、翔泳社さんから数百冊単位で購入したはずです。それくらい大量一括購入となると、費用も馬鹿にならないので、出版社から直接購入しました。8掛けだったかどうかは覚えていませんが、定価よりは安かったはず。

★でも、定価の100%で書店から買う著者さんも。理由は・・・

僕も自著を購入する機会がありますが、そのときは出版社からではなく、Amazonなどのネット書店で購入します。
Amazonで買う→売上ランキングが上がる→ランキング上位に入ると露出が増える→本が売れる、
という好循環を期待してのことです。まぁ数冊買ったくらいではなかなかランキングは動きませんけども。

★著者の印税は10%出たらスーパースター級

僕の場合は、ぶっちゃけ8%です。秀和さん、翔泳社さん共にそうでした。会社に属していたときは、その8%を会社と折半して貰ってました。執筆は主に業務時間外にやってたんで、印税貰っても割に合うかどうか。
んで現在フリーライターになったので、印税は丸々貰えますが拘束時間を考えるとビミョー。WordPress本の場合、がっつり6ヶ月かかってます。偏執的なほど色々と調べ上げて執筆したので、それくらい時間がかかっています。初版2千部なんで、2730円×2,000部×0.08で、43万6800円。そこから源泉徴収されて、39万3,120円が手元に入ってきますが、月給に換算すると、65,520円と、よっぽどコンビニや居酒屋でバイトした方が割がいいという悲しい現実が待っています。

★取次が持って行きすぎ

この辺の事情は色々とありますしねぇ、と現状を嘆いてばかりしても仕方が無いので、著者側が何らかのアクションを起こさないといけないとは思います。ネットもあることだし、既存の出版ビジネスに頼らない収益の柱も十分に構築できるのでは。そういった意味では漫画家の佐藤秀峰さんの試みが注目しています。(参考:「ブラよろ」など作者サイトで有料配信、初日10万円の売り上げ

★書籍のタイトル、帯のキャッチは 大体編集者が決めている。

これはそうですね。僕も自分の本のタイトルを決めたことはないです。餅は餅屋で、売れるタイトルのノウハウってのがあると思うので、編集者に100%お任せしてます。まぁ、タイトルによって売り上げが変わるってことはあると思いますが、それは稀有な例でやっぱり本の内容がしっかりしていれば売れるんじゃないかなぁと。書いている本が技術書なんで特に。

★今はamazon総合1位を取るのに、数日間で400~600冊の販売が必要、らしい。(「ビジネス書」のトリセツ P237)

へぇ、そうなんだ。僕のところには3ヶ月に1度、これだけの期間でこれだけ売れましたよって報告が来るだけなんで、×月×日にAmazonで何冊売れたなんてことを知らないんですよね。WordPress本は、「コンピュータ・インターネット」カテゴリーで22位、総合では410位ってのが今のところの最高順位です(買っていただいた皆様、ありがとうございます)。このときは数日間で何冊売れたのかなぁ。

★出版はバクチ。重版で利益を生むしくみ。初版の印刷部数は、著者の知名度依存

ほんと重版は大事。好きな言葉は増刷!
WordPress本の印税が40万円に満たないというのは先に書きましたが、増刷され続けていけば、濡れ手に粟の素敵な商売にクラスチェンジが可能です。現在のところ、WordPress本は初版2,000部、第1版2刷目1,000部、第1版3刷目1,500部と計4,500部が市場に出回っていますので、これらが全部売れたとすると50万円程度が印税として入ってきます。
それでも6ヶ月かけて90万円、月額換算で15万円程度の収入です。
技術書だけで食っていこうとすれば、5,000部程度売れる本を年間4冊出すか、1万部程度売れる本を年間2冊出すか、それくらいの覚悟が必要です。
加えて言うならば、初版数千部が売りさばけない技術書はたくさんありますし、1万部を超える技術書ってのはほんの一握りです。

★最近の出版社さんは保守傾向

たしかにそうかもしれませんね。今執筆中の本もSEO関連ですし。

最後に

色々と世知辛いことも書きましたが、僕はライターという職業に希望を持っています。書籍の執筆を行いながら、サイトを運営したり、電子書籍を出版したりといったことで安定した収入を得ることも不可能ではないと思いますしね。
あと、WordPressに興味を持っている方は「WordPress 2.7対応「導入&カスタマイズ」実践ガイド」をお買い求めいただきますとすごく嬉しいです。現在WordPressのバージョンは2.8.4ですが、使用感は2.7とほぼ変わりませんのでお役に立つと思います。
それと、10月から次の書籍の執筆を始めたいと思いますので、こーいう技術書を書いてみまんせんか、とか、WordPress関連でなんか本を書いてみませんか?なんて出版社の方は、yoshimura@writing-office.jp、までご連絡ください。良い仕事しますよ。

WordPress本が2月26日にリリースされます。

告知です。2月26日に本が出ます。WordPress関連の書籍で、

「オープンソース・ブログ構築ソフトWordPress2.7対応 「導入&カスタマイズ」実践ガイド」(秀和システム刊、2,600円)

と言います。本のタイトルが長っ!って感じなのですが先方の編集者に一任していましたので、おそらくこれが売れるタイトルと判断したのでしょう。

執筆に半年もかかっただけに、400Pを超える超大作となっています。その中に、基本的なWordPresの使い方に加えて、約70種類に及ぶプラグイン紹介と3種類のテーマのカスタマイズを盛り込んでいます。

唐突ではありますが、ボツになった前書きを公開します。この本に込めた想いや意図が少しでも伝われば幸いです。

WordPressは現在最もイキオイのあるブログソフトウェアです。数多くのブログサイトがWordPressで運営されていて、今後もWordPressに乗り換えるブログは増加するでしょう。
たしかにWordPressは優秀なブログソフトウェアですが、あくまでも道具に過ぎません。WordPressを使い始めたその日から、完全無欠の人気サイトが手に入るわけではないのです。
やはりWordPressについて学んでいく姿勢が無いと、「WordPressを使うだけで、人気サイトになると思っていたのかなぁ」とスラムダンクの矢沢君の轍を踏んでしまいかねません。

この本は、WordPressを使いこなすための基礎知識と、効率的にWordPressをマスターするための応用技を可能な限り盛り込みました。
WordPressを極めようとすれば、PHPやスタイルシートなどの知識が避けられませんが、この本はデザインテンプレートである「テーマ」と、WordPressに機能拡張をもたらすプラグインを活用することで、PHPやスタイルシートに馴染みの薄い人でもある程度のレベルまでWordPressを使いこなせるように意図されています。

習うより慣れろ、という諺もあります。プラグインを導入してサイトのパワーアップを図ったり、「テーマ」を編集して自分好みのデザインに変えたり、といった実践的な作業を通じてWordPressに慣れ親しんでいくことが、WordPressを習得する一番の近道だと筆者は考えます。

チャレンジ精神に溢れる人たちに、WordPressは優しく微笑み返してくれるでしょう。臆することなく、WordPressを使ってみてください。
この本がビギナー&チャレンジャーの皆さんの足元を照らす光となれば幸いです。

ちなみに、実際の前書きは大体上の文章と同じなのですが、実際に本を手にとってみてどの辺がボツになったのか確認してみてください。

働きたい会社が、信用できない会社だったらどうすべきか?

 義妹が転職活動中だ。そして、A社、B社と2社の最終面接までこぎつけた。

 A社:第一希望だけど、契約社員
 B社:第二希望だけど、正社員

 義妹としては、A社に行きたいんだけど契約社員なんで、今後のことを考えるなら正社員として雇ってくれるB社かなぁなんて悩んでいた。んで、一足早くB社で採用が決まり、7月上旬より働くこととなった。

 そういった訳で、A社にお断りの連絡を入れたところ、「分かりました。ではうちでも正社員として雇うのでうちに来てください」と言われたそうな。

 義妹が元々働きたかったのはA社であり、ネックとなっていたのは契約社員ということだけだったので、それが正社員として雇ってくれるのであれば、喜ばしいことなのだがどうも腑に落ちない。

 どういった形態で働くかは、相当重要な問題だ。それを採用担当者のさじ加減でコロコロと変えるような会社が果たして信用に値するだろうか。値引き交渉じゃあるまいし、もう一声!みたいなノリで採用活動をされてはたまったもんじゃない。

 もう一点は、「これこれこういう理由で就職先が決ったので御社への就職はお断りさせてください」と伝えているので就職先が他に決ったことをA社の採用担当者は知っている。それでも、うちに来てください、と引き止めるのは、義妹に対してすでに内定が出ている会社を断れと言っていることと同じで、言わば義妹に不義理な行為を強いていることに他ならない。自分のところが良ければそれでいいだろう、みたいな社風を感じるのは、うがち過ぎだろうか。

 義妹は悩んではいるが、A社で勤めることになるだろう。自分が行きたかった会社だから。でもこの後の展開を考えると暗鬱とした気持ちになってくる。

 最初聞いていた話と全然違う!みたいなことにならなければいいが。

無料の法律相談に出かける

 企画しているビジネスがあります。(ビジネスっていうほど大したものじゃないけど)
 今すぐにでも始められるようなビジネスなんだけど、著作権法に抵触する可能性があり、弁護士さんにそこを見極めてもらう必要がありました。

 とはいえ、弁護士さんへの相談費用は、30分で5,000円ほど。がっつりとした相談ならまだしも、「著作権にOKなのかNGなのか」を確認したいだけなので、なんとか抑えることはできないだろうか、と色々と調べたところ、東京商工会議所世田谷支部(三軒茶屋)で、無料の法律相談を行っているらしいことが分かりました。

窓口専門相談のご利用案内 (東京商工会議所世田谷支部:世田谷365)

無料法律相談を受けるための手順は、

(1)電話して、法律相談を受けたい旨を伝える。
(2)空いている日時を挙げてくれるので、都合がいい日時を伝えて予約する
(3)予約した日時に三軒茶屋の東京商工会議所世田谷支部を訪れ、受付で受付票に必要事項(会社名や相談事項の概要など)を記入する
(4)弁護士に相談(30分程度)

 です。
 受付票に記入する時間が5分ほどかかるので、予約した日時の10分前に着いたらいいんじゃないでしょうか。なお法律相談は、第1、3金曜日の13~16時に開催されています。

 んで、実際に法律相談を受けてみたわけですが、資料的なものを作成しておけば良かった、というのが反省点。その場で、図に描いて説明をしたわけですが、事前に1、2枚程度の資料をパワポで作っておいてそれを渡して説明した方がもっとスピーディに理解いただけたのではないかと思いました。

 あとは聞きたいポイントや疑問点をしっかり列挙したメモをもっていくことも大切ですね。事前に確認しておこうと思ったことがいくつか抜けていましたから。

 あ、そうそう、懸念していた著作権の問題は、いくつかのポイントに気をつければ大丈夫、とのお墨付きをいただきました。気をつけるべきいくつかのポイントっていうのも、ある程度リスクコントロールできそうな感じですし、ビジネスとして走らせてみます。

 今回は法律相談だったのですが、税務や労務の無料相談も行われているようですし、利用してみてはいかがでしょうか。また各地の商工会議所でも同様のサービスは行われているような気がしますので、地元でそーいうことをやっていないかどうか探してみてはいかがでしょうか。

個人事務所の開業手続き - 個人事務所を設立しよう(3)

 個人事務所の開設手続きをするには、いくつかの申請書を最寄の税務署に提出しなくてはならない。

個人事業の開廃業等届出書
所得税の青色申告承認申請書

あとは、家族(妻など)を従業員とする場合には、「青色専従者給与に関する届出書」も提出しなくてはならない。こういった開業手続きは、AllAboutのフリーランスが詳しいので、これから個人事務所を開く人はぜひ見て欲しい。ちなみに今回の開業手続きで参考にしたのが、下記のページ。

【開業準備】フリーランスの独立・開業手続([フリーランス]All About)

 厳密に言えば、その内容をまとめた本「会社を辞めてフリーで・個人でまずは1年目をクリアする <独立成功>完全マニュアル」が発売されているので、それを見ながら開業手続きをしました。

・個人事業の開廃業等届出書を書く

 まず国税庁サイトから、「個人事業の開廃業等届出書」というPDFファイルをダウンロードして印刷。必要事項を記入します。記入したものを税務署に持っていけばよさそうです。んで書き始めたのですが、いきなり詰まってしまいました。
「職業欄」って何を書くんだろう??ライターって書いていいのかな?
迷った結果、とりあえず「執筆業」と書きました。

次に「事業の概要」で悩みます。
んー、ライティングだけじゃダメなんかな?
迷った挙句、「コラム、記事の寄稿」「原稿の代理執筆」を書き入れました。

 下記が実際に提出したもののコピーなんですが、大して書くところが無いように見えて、事業概要になんて書こう、なんて悩んで、結構時間かかっています。

・所得税の青色申告承認申請書を書く

 次に、「所得税の青色申告承認申請書」を書きます。国税庁サイトからダウンロードした用紙を印刷し、書き入れていきます。こちらの方はスラスラと書けたのですが、最後に試練が待ち受けていました。

  えーすみません。。意味が全く分かりません。そんなことも分からないのに、青色申告してすみませんって感じなんですが、ほんとに意味が分かりません。悩んでても仕方が無いので、結局そこは書かないで、税務署に行って聞いてみることにしました。

・税務署に行こう

 いくつか空欄がありますが、税務署に提出する際に色々と聞いて埋めることにしましょう。というわけで、玉川税務署に行きました。2Fのそれらしき窓口に2枚の用紙を出すと、「ここに印鑑を押して、左上の税務署長のところは、玉川って書いてください」と言われたので、印鑑を押し、「玉川」と書いて再提出すると、「ではお預かりします」とあっさり受理されてしまいました。

 えーほんとに?書いてないところとか色々あるけどいいの??

 税務署に入ってから5分くらいで出てきました。あ、そういえば控え的なものをもらってないや、と気付き、窓口に行くと、控えはお渡ししていないんですよ、と言われてしまいました。今回、書類は事前にスキャンしていたので、まいいか、と思い、そのまま引き返してきましたが、なんか釈然としない。ほんとにこれで手続きは完了しているのだろうか?

 これくらいのゆるさでいいんだったら、Webから登録できるようにしてくれたらいいのに、なんて思いつつ、ちょっとビクビクしています。

個人事務所を設立しよう(1)

 個人事務所を開くにあたり、決めなくてはいけないことが色々と出てくるし、多分設立後も色々と出てくるでしょう。たぶん、正解なんてない問題だと思うので、純粋に覚悟の問題なんでしょうね。現在大きなところの悩みは、サクッとこんな感じ。

(1)事務所名
(2)事業の形態
(3)当面の仕事

(1)事務所名
 個人事務所名は「コンパクトライフ」にすることが既に決まっている。昨年、夫婦でネーミング会議を開いたときにあっさり決まったが、夫婦で慎ましやかに暮らしていければそれでいいや、というポジティブなんだかネガティブなんだかよく分からない想いが込められています。
 ロゴはデザイナーをやっている義姉に依頼します。コンパクトライフの公式サイトがオープンしたときに、そこに掲載された理念、事務所名に込めた意味、仕事内容などの情報を基にイメージを膨らませてもらおうと思っています。ちなみに設立日は2月1日の予定。

(2)形態
個人事務所としてやっていくのか、株式会社にするのか、はたまた別の形態にするのか、今も悩み中。日経BPに連載されている「節税できる? 中年ライターの会社設立奮闘記」の記事では、

フリーランサーでも、ある程度の所得に達したら法人化したほうがなにかと有利ということは広く知られている。ものの本によれば、(業種・業態によって異なるものの)一般に所得が400万円以上あれば法人化したほうが税法上のメリットも大きくなるという。

、とある。
 今年400万以上の売り上げが見込めるとは全然思ってないけど(ちなみに、会社の年収とほぼ同じ額)、ゆくゆくは400万以上の売り上げを目指していかないといけないわけで(そうでないと会社を辞めた意味が無い)、それを考えると最初から株式会社を設立した方がいいのかなぁと思ったりもする。個人事業者、あるいは合同会社(LLC)から始めて、事業が軌道に乗ってきたら、株式会社を設立すると言うのも、ひとつの「テ」だと思うけど、何が正解なんやろね。色んなサイトや書籍を読んでみたものの読めば読むほど迷うばかり。

 両親や義理の両親に、「退社してフリーになったんすよ」と報告するよりも「退社して会社立ち上げたんすよ」って言った方が、ショックを与えないないかな、なんてオトナの事情まで考慮してると、もう何がなんだか。そういえば、レギュラーって「あるある探検隊」を封印してるんだってね。分かるよその気持ち。色々と迷うよね。

(3)当年の仕事
 これが一番の問題。イカした事業所名や最適な事業形態も、儲からないことには意味が無い。
 ありがたいことに色んなところからコラムを書きませんか、とお声がけいただいているので、それらを前向きに請けていこうと思ってます。んで今連載を持っている、インプレスR&Dの「Web担当者 現場のノウハウ」に関しては、次回以降はまだ未決定なのですが、引き続きやれればいいなぁ。ただ、それらの収入を合算しても到底400万には届かないので、他に収益を柱を作らないとね。

 現在僕が編集している週刊e-Reportも「外注でどう?引き続きやってみない」と会社の偉い人から言っていただき、涙が出るほど嬉しかったのですが、一方で新生e-Reportに生まれ変わる絶好の機会とも思っているので、こちらはお断りしました。退社の日までに、編集のノウハウ、特に「ニュースの目利き」に関しては、形にしたいですな。

 

 昨年後半から、購読しているブロガーさんが次々と独立宣言されてて、別にそれに触発されたと言うわけではないのですが、仮想同士ってことにして、負けないように頑張っていかな、と思っています。

独立開業(to-R)
松下電器を退職してネット家電を企画販売するベンチャーを起業(キャズムを超えろ!)
退職報告及び自己紹介(Geekなぺーじ)

後悔しないライターの発注法

 今現在、社内で相当変わったポジションにいると思います。一言で言えば社内ライター。
 今抱えているだけで、自社媒体(隔月刊誌「WEB FLASH」、メールマガジン「InternetNOW!」「週刊e-Report」)、他社媒体(「Web担当者 現場のノウハウ(インプレスR&D)」、「視線が明かすウェブ制作の常識・非常識(CNET Japan)」)の執筆に携わってます。

 親会社イー・エージェンシーが手がけるWeb制作案件に関わることはさすがにありませんが、たまーに「ライターを紹介して欲しい」という相談が来ます。どういうライターを探しているんですか?と聞くと、明確な答えが返ってこなくて、結局誰を紹介していいやら迷ってしまう、なんてことが起こりがち。先日も、メルマガを書けるライターを探しているというので、その条件を聞いてみると、

・30代~50代の男性向け
・ラーメンから車、広い題材で
・堅くない文章を書ける方

 という答えが返ってきましたが、これじゃ紹介のしようがないなー。
 ライターを名乗っているものであれば、上記のオーダーは普通に応えられます。もちろん僕も書けます。じゃあ上の条件に合致した文章ならなんでもいいのか、と言うと決してそうではないでしょう。僕が軟らか目に書いたラーメンのレポート記事は担当者のOKをすんなりもらえると思いません。

 つまり、条件が条件として機能していないので、何を求めているのか、ということが全然伝わらず、担当者のイメージとライターが書いたものが乖離してしまいます。

 何をもって「30代~50代の男性向け」を判断するのでしょうか。文体?内容?
 おそらく当該のメルマガの読者層がそれくらいなのでしょうが、この条件は条件のように見えて何の条件でもありません。屏風からトラを追い出せと言われているようなものです。

 「ラーメンから車、広い題材で」、というのも曲者で、情報の深さがまるで見当付きません。僕でもラーメンや車の記事を書けますが、あくまでも素人レベルの域を出ません。あそこのラーメンが美味しかった、あの新車はカッコイイ、くらいのレベルが関の山です。ある程度の深度のある記事が欲しいのであれば、それぞれの専門ライターに任せるべきです。全ての分野について精通しているライターはいません。広く浅く知識を持ちながら、いくつか得意分野を持っている、というライターがほとんどです。

 「堅くない文章を書ける方」なんて、なんで条件に入っているのか判断に苦しむレベルですね。
 堅くない文章ってなに?その基準は?と疑問は当然ありますし、堅くない文章、というのと、軽妙洒脱な文章ってのは微妙に違っているので、担当者の好みに左右されそうなライター泣かせの条件です。
 ただ、ライターたるもの、文章の硬軟なんて普通に使い分けられますよ。バラエティの司会をやっているアナウンサーも、ニュースを読むときはきちんと読むでしょうよ。それと同じです。

 では、どのような条件を提示すると、発注側の意図がきちんとライターに伝わるでしょうか?

 一番手っ取り早いのは、既存の記事を例に挙げること。「月刊XXに連載されている△△のような、記事を書いて欲しいのです」と伝えると、あぁこーいうことがやりたいのかと分かります。
 また「誰々のような文体」というオーダーも、「堅くない文章」と言われるよりははるかに具体的にイメージが伝わります。

ライターの道は茨の道か

夢の印税生活(日経BP ITpro)

 矢沢久雄氏が、自身の印税収入を題材にしたコラムを掲載しています。ライターを目指す人がどれほどいるかは分かりませんが、ここに出ている金額は妥当な額です。僕も、書籍3冊を執筆し、現在は雑誌の連載1本を抱えていますが、これくらいの額になります。技術系ライターはほんと因果な商売というか、好きじゃないとやっていけないけど、好きでもやってられない仕事ですね。

 小説の場合、まず新書で出て、それから数年後には文庫化されて再度リリースされます。本が1冊出れば、2度美味しいのです。愛してやまない銀河英雄伝説なんて、徳間ノベルズとして出た後、愛憎版、徳間デュアル文庫、創元SF文庫と発行され続けていて、ほんと羨ましい限りです。

 一方技術書は、技術の流行り廃りがあるので、1冊の本が何年にも渡って売られていくことは稀です。僕が書いたSEO本も、今年はともかく来年は増刷されることはないでしょう。ポジティブに考えれば、新しいネタが次々に出てくるので、書くネタには困らないということでもあるのですが。

 矢沢氏が、好きな言葉は”増刷”って書いてありますが、ほんとにそうです!増刷大好き!

 それはさておき、矢沢氏も指摘しているように、やっぱりライター一本でやっていくのは相当大変です。
 大変なことは重々承知の上で、その困難な道に挑もうとしています。さてさてどうなることやら。

インタビュー記事で大切にしているコト

 昨日、デジパ加藤さんにインタビューをしました。興味深い話が聞けましたので、頑張ってまとめます。なお、この取材記事は、来年1月末発売予定の「Web担当者 現場のノウハウ vol.10」に掲載予定なのでぜひご確認いただければ幸いです。

 色んなタイプの記事を書きますが、とりわけインタビュー記事はいつも難産です。どこが一番のネックになってくるのかと言えば、インタビューの話をそのまま記事化できないから。人の話というのは想像以上に、色んなところに飛んだり、重複したり、辻褄が合わなくなったりします。それをダラダラと書いても、間延びする上に密度が薄くなるだけなので、ひとつのストーリーとして構成し直すこととなります。

 この再構成の作業がとにかく悩まされる。まずは取材の内容を記録した音声を元に書き起こし、それをさながらジグソーパズルを解くように再構成してひとつのストーリーとなるように仕立てます。インタビュー記事を書き始めると、ずーっと頭の中で再構成作業があーでもこーでもないと繰り返し行われます。取材を受けてくれた人が一番何を訴えたいのか、何を一番大切に思っているのか、を一番効果的に伝えるためにはどういうストーリーを紡いでいけばいいのかギリギリまで悩みます。

 通常のマスコミの取材とはその辺りが一番異なっているかなぁ、と思います。マスコミの取材は往々にして既に結論があり、その結論を補強するために識者に取材します。インタビューする時点ですでにバイアスがかかっていて、その意見を代弁させるために、権威ある人の言葉を借りる、と言い換えてもいいのですが、そして発せられた言葉を、より視聴者・読者受けするように、曲解することもしばしば起こります。

 Webの登場で、全世界に向けて自分の意見を主張できるようになった今だからこそ、自分が主張したいことを取材対象者の言葉を借りて主張するような姑息な行為は決してしように肝に銘じています。

畳職人は10年で、95%完成する

 IT業界が不人気、という話題は、IT業界にいるものとしてスルーしておくわけにはいかない。
 IT業界の問題点というよりも、視点を変えて、畳職人という古式ゆかしい業界にいた経験から、IT業界における技術者の立場について考えてみたいと思います。(もっとも技術者と職人を比べると言う前提自体、間違っているような気もしなくはないけど、職人はこういうキャリアプランで生きてますよ、ということを知ってもらえば幸いです)

 僕は、畳職人5年、Web業界5年、働いてきましたが、IT技術者と職人の「スキルの性質」は相当異なり、その最大の違いはスキルの上限レベルが決まっているかどうか、ではないかと思っています。

 職人(ここでは特に畳職人)の技術レベルのマックスをLv.100とした場合、学校に通うなり師匠について学ぶなりで5年も真面目に働けばLv.90くらいには普通に成長できます。実際、畳職人の経験5年で畳技能士2級の受験資格が与えられますので、5年でとりあえずは一人前と言えるでしょう。

 そして10年も仕事をすると、レアケース(茶室などのイレギュラーな規格、特注畳などの変わったリクエスト)にも何度か遭遇し経験値を積みつつ、畳作りの基本スキルの精度も上がってきますので、真っ当に仕事をしている職人であれば、Lv.95くらいになっています。10年経てば立派な畳職人な訳です。そして、残りの畳職人人生を賭して、Lv.100を目指していくことになります。

 10年でLv.95まで来たのに、あとレベルをたった5つ上げるために50年、60年かけることになりますので、大体Lv.95くらいになったらその後必死になってスキルを研鑽していく畳職人はいません。通常業務ではその必要も無いですしね。50年、60年かけてレベルを5つ上げるという修行にも似た作業に耐えられる人のみが名人という称号を得ることができるのです。

 なぜスキルの上限レベルが決まっているのか?それはクリエイティブな要素が全くないからです。正解がひとつしかない、と言ってもいいかもしれません。畳職人の仕事は、間取りに合う畳を作ることだけですので、隙間無くピッタリ収まればそれが正解なのです。

 さて一方、IT業界ですが、こちらは仕事に正解はありません。お客さんのニーズを解決する、というお題目が与えられていますが、これが正解だ!というものはありません。正解が分からない中、ベストを求められるのは相当プレッシャーがかかる仕事だと思います。しかもまずいことに職人気質は限りなく正解を目指してしまいます。山を越えて、その先に高い山が現れたとしても、心が折れずにまっさらな気持ちで挑んでいけるその生き甲斐を見出すことができることが出来る人のみがIT業界で生き残れるのではないだろうかと思います。

 全然比較になっていませんが、IT業界は仕事の「枠」が不明瞭なんでしょうな。人月でコストを計算することから見つめ直さないといけないのではないでしょうか。