カテゴリー : 舞台・演劇

ルー大柴が、ルパン三世を演じていた件について

ルパン三世 I'm LUPIN (Wikipedia)

 今年再ブレイクしたルー大柴が、あの「ルパン三世」を演じていたことを何人が覚えているのだろうか?
 1998年にミュージカルとして後援されたのが、その「ルパン三世 I'm LUPIN(愛・夢・ルパン、と読んだりもする)」である。以前、スカパーのキッズステーションで放映されたこともあるので、うっすら覚えている人もいるかもしれない。

 ルパンの実写化といえば、カルト的な人気を誇る「念力珍作戦」がありますが、ルパン三世:目黒祐樹、次元大介:田中邦衛、銭形警部:伊東四朗、という全く原作のイメージは無いけども無駄に豪華な人達が演じていました。

 一方「ルパン三世 I'm LUPIN」では、ルパン三世のルー大柴をはじめ、石川五ェ門:影山ヒロノブ、銭形警部:エド山口という微妙なキャスティングで、内容も相当微妙でした。

 原作付きのドラマ・アニメ・舞台などは、原作ファンからみれば噴飯ものの仕上がりになるのが常です。
 「ジョジョの奇妙な冒険」という漫画がありまして、OVA化された過去があります。 そこでディオというキャラが出ますが、彼は青年のはずなのですが、彼の声をあててたのはおっさんでした。しかもヴァニラ・アイスという部下(こちらも青年)がいるんですが、その声をあててたのは青野武氏でした。(ちなみに青野氏はちびまる子ちゃんのおじいちゃん)
 もうガッカリ。クールなディオが、ああ・・お、おっさんや。世界観がガラガラと崩れていく音が聞こえました。
(2007年2月に公開された「ジョジョの奇妙な冒険 ファントム ブラッド」では、普通に青年の声でした。

 話をルパンに戻します。
 ルー大柴演じるルパンは劇中で、「ルー大柴」という名前を出したギャグを使います。「俺はルー大柴のようなクドイ奴は嫌いだ」と。このギャグはルー大柴本人が言っているので、ギャグとして成立します。(面白くはありませんが)
 ルパンを演じていながら、一方でルー大柴を名乗っているわけですが、このような楽屋オチの話を切り出した瞬間に、ルパンというキャラクターは死を迎えます。

 ルー大柴が言ったギャグは、まさしく自分がルパンであることを否定する行為以外の何物でもありません。まさしく、世界観の消滅、世界観の死です。ルパンがルパンであることを否定してしまったから。

 原作とイメージが違うというのはよくあることです。ルー大柴がルパンを演じることになんの異論もありません。新しいルパン像に挑んでいると思えば我慢も出来ます。
 ですが、せめて原作を愛して欲しい。
 ルパンを演じるなら「この場面でルパンは何と言うだろうか?」「こんな状況下でルパンはどうするだろう?」を真剣に考えるくらいの真摯な姿勢は必要ではないだろうか?(そもそも脚本に問題があるとは思うけど)
  
 原作を平気で否定するような作品に、人の心を揺さぶる力はない。でもこの舞台の監修をモンキーパンチ氏本人がやってんだけど案外原作者こそ作品の世界観には無頓着なのだろうか。映画デビルマンに、嬉々として永井豪は出演してたけど。