カテゴリー : 2007年 10月

モナークモナーク、攻略編

・モナークモナーク(日本ファルコム)
http://www.vector.co.jp/games/select/file/gt000367/

前回に続いて「モナークモナーク」(以下、モナモナ)の話である。
見かけのコミカルさに反し、これほど骨太で戦術家魂を揺さぶられるゲームは、希有ではないだろうか。朝から夜までぶっ通しでプレイしているが、あらためてその奥深さに唸らせられた次第である。

「愛読書は、孫子の兵法書ッス」「マキャべリズム、サイコー!」「将来の夢は軍師です!」って、戦術ラブな人は、迷わずにプレイしてほしい。安いし。

モナモナの命題は、敵を殲滅(せんめつ)させることではなく、「いかに楽して勝つか」である。そのための方法論が、そのまま孫子の兵法書やマキャベリズムを応用できるということから、僕はモナモナを最高級の戦術ゲームと位置付けたい。

敵兵力を上回る戦力を整え、真正面から敵を粉砕する、なーんてことはモナモナでは野暮野暮。モナモナー(モナモナフリークの意)の合言葉は「レッツ!漁夫の利」「ヘイル!棚からぼたもち」なのだ。

楽して勝つためにはどーすればいいか?
今回は、その実践編である。

・兵力は集中させるべし。

楽して勝つ、といっても、やっぱ基本は大事。100人の兵士が100部隊は、5,000人の兵士1部隊に簡単に蹴散らされるので、兵力は集中させて運用するのが鉄則だ。

しかし、2,000人以上の部隊には維持費がかかるため、2,000人未満の部隊を複数確保し、ここぞ!というタイミングで合流、運用するのが勝利のカギ。

逆に、敵兵力は集中させてはならない。
1万人以上の大部隊になってしまうと無人の荒野を駆けるが如く、自国を蹂躙(じゅうりん)されてしまうだろう。残念ながら、そーいう事態に陥った場合に、再スタートに手が伸びたり、同等以上の兵力で迎え撃ちたいのが人情だけど、ここはグッと我慢する。死中に活あり、ピンチをチャンスに変えるのだ。

それだけの大部隊を粉砕するのは「もったいない」し、また敵部隊を粉砕するためには、2倍以上の兵力をぶつけないと心もとない。同等程度なら相打ちになっちゃうからね。

いっそのこと、敵大部隊は放置して、手持ちの全兵力を敵国攻略にあたらせることをオススメする。それだけの敵兵力が集中しているということは、敵国内の守りは手薄ということでもある。自城が陥落する前に、敵城を制してしまえば、自国蹂躙中の敵部隊は、そのまま頼もしい自部隊に変わる。労せずして1万人の部隊をゲットできるのである。

1マイナス1、で敵部隊と相打ちするか、1プラス1で2倍の兵力にするか、答えは明白。ただし、敵城攻略でまごまごしてる間に、自国が陥落しちゃうこともあるんで、ご利用は計画的に。

・兵士は孤立させるべからず。

こちらが指示を与えない限り、自国の兵士達は勝手に行動する。ズンズンと敵国内に進入し、各個撃破の的になってしまうバカモノも多い。そーいうときのために、柵を活用する。敵軍の進入を阻むと共に、自軍を外に出させないためにも柵は存在するのだ。

・柵(さく)を使いこなせ。

モナモナにおける柵活用について語りだすと、そのまま本が一冊書けそうなんで、簡単に紹介すると、柵の目的は敵の進入阻止(&含む足止め)と、自軍の行動範囲抑制である。

それと忘れちゃいけない。柵は戦力である。
柵の防御力は200で、敵から攻撃を受けると数値が減少していく。0になれば柵は破られ、敵が進入してくる。そこで、柵の反対側に待機、防御力が0になる頃を見計らって、柵を作り直す。すると防御力は200に回復して、敵は再度、柵アタックを繰り返さなくてはならない。これを延々と繰り返すのだ。敵が柵アタックを繰り返す度に兵力が減少していく。

兵力が目立って減少するわけではないが、ボディーブローのように効いてくる(ときもある)。柵を作り直す度に、こちらの資金も減少してしまい、これがボディーブローのように効いてくることもあったりするのでご用心。

・橋を活用せよ。

モナモナにおいて、「柵」と「橋」を制するものは世界を制す、といわれるほど重要な存在である。

特に、橋をかけることができるのは自軍だけである。敵軍は橋をかけることができないので、このアドバンテージは大きい。戦場をどこに設定するか、のキャスティングボートが握れるのだ。敵城付近にショートカットの橋をかけ、電撃的に敵城を制圧することができるマップもひとつやふたつじゃない。(STAGE 25他)

また、自国と敵国を結ぶためだけではなく、敵国と敵国を結んでしまうのも戦術的に有効である。敵国Aの進軍の矛先を敵軍Bに向けさせて、敵国AとBの消耗戦へと誘導するのである。(STAGE 47他)

幸いなことに、敵の行動パターンにおける柵の優先順位は低い。他にすべきことがなければ、柵を壊しにかかってくるが、他国との争いが行われている場合は、そちらが優先される。こちらは敵国間に橋をかけた後に、柵で敵国の進入をガードしつつ、敵国同士を後目に、自国の戦力の充実を図るスンポーである。んで、弱った敵国に無傷の大兵力をドドンと投入し、ジ・エンド。

しかしタイミングを逸すれば、敵A国がB国を併呑し、強大な新生A国になって自国に牙をむいてくることもある。この場合、最もスマートな戦術は、A国がB国をあとちょっとで制圧しそうなイキオイのときに、A国の城を電撃攻略することだ。A国はB国攻略にほぼ全戦力を注いでいるので、城の守りは手薄である。A国を制圧してしまえば、あとに残されているのは、弱体化しているB国だけ。
楽勝楽勝。ビバ!漁夫の利。

・村作りを任せるべからず。

兵士は勝手に村作りをしちゃうんだけど、放っておくと、3×3の島状のマス内に2つしか村を作らないことがある。自国の村は隣接して作ることができないので、この場合、ベストな村の配置は島の4隅であるはずなのに、だ。大抵のマップでは気にすることはないが、初期領土が狭いマップにおいては、この差は大きい。スタートダッシュを決めるためにも、初期の村配置は、慎重を期したい。(STAGE 44他)

スタートダッシュといえば、最初に領土は拡大されるだけ拡大した方が得策だ。より遠くに柵を築き、落ち着いて内政の充実を図る。兵力の少ない初期段階で、敵国が柵を破りに来ることはまずないので、柵は作っちゃったもん勝ち。

・占領一方手前でとりあえずセーブ。

マップをクリアすると、それに対して評価が下される。
クリアにかかった日数や、戦闘効率などに対して点数がつけられるのだ。そこで侮れないのが占領率。マスが1個でも自分の領土ではない場合、占領率は99%となり、減点のポイントとなる。苦労して攻略したのに、99%だったら、泣くに泣けない。

占領率100%の確実なやり方は、最後に残った敵の村を味方で囲む。このとき周りは、1マス空けて、自国の村で四方に置き、その後に、敵村の上に自村を築くのである。こーすれば。100%は簡単簡単。

・・・ 最後に ・・・

モナモナに戦術的奥深さを付加しているのは、敵国占領条件が3種類あるということだ。
相手の王を倒す、敵の村を全て破壊する、敵兵士を絶滅させる、この3通り。

敵王さえ倒してしまえば、敵兵士を全部やっつけなくともよい、というのは、現在正対している敵部隊が、敵城陥落後はそっくりそのまま友軍と成り得るということ。ということは、「戦わない」という選択肢が生まれる。戦うべき敵と戦わなくてもよい敵がいれば、戦術に幅が出てくる。

全ての敵を倒さなくてはならないのなら求められる戦術は、兵力を集中させ敵にぶつけるだけだけど、モナモナはそこが一味違うのである。モナモナにおいては、敵兵士を全部屠る(ほふる)必要がないどころか、全敵国を全て制圧する必要すらない。敵A国が効率良く敵B&C国を攻略したのを見計らって、敵A国を破ってしまえば、それでマップクリアである。

もとめられるものは、ひたすら効率だけなのである。
勝てばよかろう、ではない。このテの戦術シミュレーションゲームでは、一度クリアしてしまったマップは二度とプレイしない、なんてことになりがちだけど、モナモナは、スルメの如く何度何度もマップを味うことができる。効率といえば、こんなにコストパフォーマンスに優れたゲームは他には見当たらない。

「ランチェスターの第二法則」の醍醐味、モナークモナーク

・モナークモナーク(日本ファルコム)
http://www.vector.co.jp/games/select/file/gt000367/

軽い気持ちで購入した「モナークモナーク」(以下、モナモナ)が大当たり。これはいいよ。
前作「ロードモナーク」も未プレイでだったんで、「モナーク」シリーズはまっさらの状態でプレイしたんだけど、とっつきやすく、しかも奥深いという掘り出し物でした。

「モナモナ」のジャンルは、リアルタイム戦術シミュレーションゲームである。このテのジャンルは、有名どころでは、マイクロソフトの「エイジ・オブ・エンパイア」があり、他にも似たようなゲームが(特に洋物ゲームの中に)雨後のタケノコのよーに、ポコポコ発売されていたけど、今はそれほど流行ってないかな。

共通していえることは、ゲーム内容が複雑で、ちと敷居が高く、ヘビーゲーマー向けという印象が強い。結構、食わず嫌いをしている人も多いだろう。かくいう僕もイマイチ、ハマることができていない。

そんな洋物ゲーム群に比べれば、この「モナモナ」、ルールは大幅に、というか無きに等しいほど簡略化されている。にも関わらず、リアルタイム戦術シミュレーションゲーム(リアルタイムストラテジーゲームともいう)として、珠玉の出来ではないか、と思います。

ゲームの目的はシンプル。
クォータービューのマップに点在する敵国を倒してしまえば、マップクリアである。ゲームをスタートすると、自国内に兵隊ユニットがポコポコと生まれる。これらの兵隊ユニットは、何も無い土地には家を建て領土を拡大し、敵に遭遇すれば戦いを始める。ほぼ半自動で進んでいくのだ。

各ユニットが持つステイタスは、人数だけ。
歩兵、騎馬兵、弓使い、などでクラス分けされているわけでもなく、戦いに勝ったからといって、レベルアップするわけでもない。ワラワラと歩いているユニットにマウスカーソルを合わせれば、そのユニットの人数が表示される。その数だけが唯一のスペックである。

ゲーム画面は、クオータービューで高低差を表現しているものの、高さによる戦力調整はされていない(と思う)。
戦術の基本は、相手を上回る戦力を最善の場所、最善のタイミングで投入すること。ただそれだけで勝てる。「モナモナ」をプレイしていると、この基本戦術をイヤというほど思い知らされる。勝利条件がはっきりしているため、負けた理由も掴めるし、納得もできる。認めたくないけどね、若さゆえの過ちってやつは。

ここでひとつ質問。

M軍の軍勢、5,000人とN軍、3,000人が真正面からドンパチ戦った場合、勝つのはどちらでしょうか?
(装備、指揮官の優劣、などなどを抜いて、同レベル同士が戦ったと仮定した場合)

数で勝るM軍が勝利するだろうなぁというのは、分かると思うんだけど、どれほどの差がつくのだろうか。その答えを導くモノとして「ランチェスターの第二法則」と呼ばれる公式がある。

「M軍の2乗 - N軍の2乗 = M軍の残存数の2乗」

分かりやすくいえば、「戦力はその2乗に比例する」ってことで、この場合ならば、5,000×5,000 - 3,000×3,000 = 4,000×4,000となり、M軍が4,000人残ることになる。

「モナモナ」では、「ランチェスターの第二法則」にほぼ支配されているので、たとえ10人でも相手よりも勝っていれば、楽に敵に勝つことができる。相手より二倍上回ろうものなら、大楽勝で勝つことができ、この爽快感は癖になるほどだ。

しかし、もしも敵総戦力が自軍を上回っていても、再スタートするには早過ぎる。もし敵戦力が分散していたなら、逆に各個撃破のチャンス到来だ。

各個撃破の有名な例としては、ナポレオンが2倍の兵力に勝利したって史実ががある。
ナポレオン軍1万5,000、敵勢力3万。前出のランチェスターの方式を出すまでも無く敗北は必定である。

ところが敵勢力はナポレオン軍を包囲殲滅するために3つに分散していたので、ナポレオン軍は機動力を活かして各個撃破したのだ。たとえ3万の兵力でも3つに分散していれば、各部隊は1万に過ぎない。ならば、1万5,000でも勝てるという道理である。(ちなみに、この史実は、銀河英雄伝説のアスターテ会戦の元ネタでもある)

敵主力ユニットを足止めしているうちに、敵陣本丸を急襲するなーんて作戦もスリリングだ。成功することは、ほとんど無いけど。。

んで、各マップの解法が一個だけではない、ということもポイントが高い。マップをクリアして、ハイ終わり、というわけではない。戦術を見直すことにより、より早く、より効率的にマップをクリアできる可能性が残されているのだ。

なお、「ファルコム」サイトでは、「ロードモナーク」がダウンロードサービス中である。「モナモナ」の雰囲気とはまるで違うので、僕は「モナモナ」を購入することをオススメする。次回、攻略編をご紹介します。

情報漏えいはもはや防げる気がしない

・第一三共ヘルスケア、業務委託会社から28,364人分の顧客情報がWinny流出
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/22/17258.html(INTERNET Watch)
・明治製菓、キャンペーン応募者情報15,059人分がWinny流出か
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/10/17126.html(INTERNET Watch)

数年前、明治製菓さんに取材に行ったときに、「個人情報は管理する側にもリスクと成り得るため、過分な個人情報は持つべきではないし、取得しないようにしている」と語られていたのを今でも覚えています。

今回の漏洩元は、両事件とも業務委託先スタッフのPCということらしいのですが、いくら自分達が気をつけていても、こういった形で外部関係者から流出してしまうと為す術無し。

業務委託先は、個人情報の取り扱いに関しての契約書の類を結んでいるとは思いますが、それを結んだから安心という訳ではありませんし、下請け、孫請けと関係者が拡散するに従い、本体も全体像を把握できない、ということはよくあります。

個人情報に充分に注意を払っている企業ですらリスクを0にできないのであれば、個人情報は漏洩することを前提にしたリスク管理をすべきなんでしょうね。

結婚狂想曲 - 嗚呼、妹よ

妹1号が結婚したのが5年前のこと。
結婚することを母親経由で知らされたのが2002年5月半ば、結婚式の日程を聞かされたのが、2002年6月初旬である。

俗にいう、出来ちゃった結婚なので(註)、日程がタイトなのだ。なんつっても、10月には出産予定なんで、妹も必死だ。

(註:母親は、「出来ちゃった結婚」ではない!と言い張っている。ただ、結婚と出産の順番が入れ違っただけだ、と。そーいうのを例外なく、出来ちゃった結婚というんだけど)

さて、そんなわけで、7月20日(仏滅)に結婚式がとり行われた。
妹夫婦の結婚式は、仲人を立てず、出席者みんなが後見人みたいな形式なのである。個人的な感想をいえば、訳分からんお偉いさんが、延々とスピーチをするという拷問にも似た結婚式ではなかったので(お偉いさんのスピーチは、妹の会社の元上司、同じくダンナの会社関係の上司の計二人だけだった。しかもスピーチ短め)、及第点をあげられるだろう。

とはいえ、問題点が無いこともなかった。ここに記すのは、その顛末である。結婚式を控えた人は参考にしていただきたい。

結婚式は佳境にさしかかっていた。
スピーチ、乾杯、キャンドルサービスなど、セレモニー関係を終え、参加者の余興タイムを迎えていた。

妹の友人による「あーよかったな(花*花)」や「Everything(Misia)」などが終わり、一段落したところに、司会者から、「えー、先ほど新郎新婦入場のときに、歌を歌って華を添えた、黒人歌手を皆さん、覚えておりますでしょうか?」

そーいえば、結婚式の冒頭で黒人の兄ちゃんが、歌を歌ってたなぁ。僕は、必死に写真を撮ってたので、よく見てなかったけど。

「その黒人歌手、名前をジェームスというんですが、彼はセリーヌ・ディオンのコンサートのオープニングアクトを勤めたほどの実力者です。今日は、ジェームスが、お二人のために、歌を歌ってくれます。カモーン、ジェームス!!」

事態を掴めない参加者のギモンをそのままに、司会者はジェームスを呼ぶ。
黒のTシャツに黒の革パンツという、カジュアル過ぎるいでたちのジェームスが舞台袖から登場である。

そして、何の挨拶も無しに、ジェームスは歌いだす。
「♪ゲロンパ」

え?
洋楽に詳しくない僕でも、この歌は知ってる。CMで聞いたことがある。たしか、ジェームス・ブラウンの歌ではなかったか。
えーっと、曲名は、、、

あ!!「セックスマシーン」だ。。。

結婚式なので、セックスマシーン?
出来ちゃった結婚なので、セックスマシーン?

僕の中で、止まることない疑問スパイラルがグルグルと形成されていく。
ちなみに、参加者の半数以上は、親戚や会社関係なので、年齢層は高めである。苦笑いをしている人、あっけにとられている人、ひそひそ話をする人達、様々である。

もちろん、選曲についてのリアクションではなく、唐突に黒人歌手が出てきたことに対するリアクションである。
もしこの歌のタイトル、「セックスマシーン」が知れ渡ったら、どんな修羅場が展開されるだろうか、僕は怖くて想像ができない。

ジェームスは、参加者のテーブルの間をぬいつつ、セックスマシーンを意気揚揚と歌い上げ、引き上げていった。

ホッとする参加者に更なる試練は待ち受けていた。司会者の登場である。
「こないだの結婚式では、さっきの曲ですっごく盛り上がりましたよ。皆さんも 負けずに盛り上がっていきましょう」

うすーい殺意が広がっていくのを確かに感じた。おめでたムード一掃である。
それでも司会者は僕たちを許してくれないらしい。

「次にジェームスが歌うのは、えーっと、ちょっと前に郷ひろみが歌って話題になった、ゴールドフィンガー99です。アーチチアチってやってましたね。それの原曲で、「Livin’ La Vida Loca」という曲です。 (舞台袖を向いて)あ、通訳さん、ここから訳さないでね。
えーっと、皆さん、席を立ちましょうか。そして、ジェームスに気持ちよく歌ってもらうために、アンコールをしましょうかね。はい、アンコール!アンコール!アンコール!」

どちらがお客さんなのか最早分からぬまま、司会者にアンコールを強要され、確実に殺意のボルテージは上がる。
ある意味、テンションは最高潮である。

満面の笑みで、ジェームス登場である。
そして「Livin’ La Vida Loca」を原曲のまま歌う。いくら耳馴染みでも、英語で歌われちゃ、おっさんおばちゃんお手上げである。
湿った手拍子を引き連れ、満足げに歌いきったジェームスは引き上げていった。

そして、結婚式は終わった。
誰誰の歌は上手かったわねぇ、ウエディングドレスきれいだったわねぇ、などの感想がホテルのロビーでやり取りされていたが、誰一人として、ジェームスについてふれる者はいなかった。

(ジェームスの歌は、結婚式のオプションで妹夫婦が依頼したものらしい。その額は、18万円也。浪費以外の何物でもなかったですな)

突き抜けっぷりが気持ちいい、妖星ゴラス

1980年代の某日、地球に大隕石が接近していることが判明する。「妖星ゴラス」と名付けられたその隕石(黒色矮星)は、地球の引力の6,000倍をほこり、地球に接近すれば、致命的なダメージを与えることは間違いなかった。そこで、地球人類がとった手段とは、、、、

というわけで、今回取り上げるのは映画「妖星ゴラス(1962:東映)」です。地球に大隕石(or大彗星)が接近するというシチュエーションで、多くの映画が封切られてきましたが、その中でも異彩を放っているのが、この「妖星ゴラス」なんですよ。

隕石接近モノといえば、巨大隕石にハッパを仕掛けに行く「アルマゲドン」、巨大彗星にブラックホール化した木星をぶつける「さよならジュピター」、宇宙戦艦ヤマト2の「白色彗星」などがあります。

これらの作品と「妖星ゴラス」は、何が違うのか?
ほとんど(というか妖星ゴラス以外)の隕石接近モノは、隕石が地球に接近する前に、何とかしようと、人類が頑張るわけです。隕石を破壊するとか、軌道を変えるとか、そーいう努力をね。

「妖星ゴラス」は、違います。隕石には手を触れません。なんつっても、質量6,000倍ですからね、歯が立ちません。ということは、残った選択肢はひとつ。地球を動かしちゃいます。
わぁぁ、隕石だぁぁ、危ないから避けちゃえ、ヒョイってなもんです。
そんなアホな、、、と思われる人もいましょうが、それが現実です。ツライからといって目をそむけてはいけません。

「妖星ゴラス」が接近していることを知った人類は、南極に核融合ジェット推進装置を作り、地球を動かそうとする。限られた日数の中で、事故は起きる、怪獣は出てくる、しかも妖星ゴラスは日に日に質量を増大させていく、核融合ジェット推進装置は完成するのか?地球は、妖星ゴラスを避けられるのか?

ま、避けられるんですけどね。
んでも、質量6,000倍の隕石って、すごすぎ。太陽系最大の惑星、木星ですら、地球質量の318倍ですからね。そりゃ避けるしかないわなって思えちゃう。

この妖星ゴラスの設定って、絶対おかしいと思うんですよ。
地球を動かすってそんな無茶な、、て誰でも思うはず。だって地球は猛スピードで太陽の周りをグルグル回ってるんですよ。しかも絶妙な位置関係で太陽の恩恵を受けているわけです。ちょっとでも内側に入れば、地球気温はバンバン上昇し外側に動けば、寒冷地獄に陥る。あと、月はどーした。ほったらかしか、おい。

ツッコむところは無尽蔵に出てきます。
でも、ここで、ふと考えます。地球を動かすことは、もしかして可能なのか?って、考えがアタマをよぎる。よぎんなよって思われる方もいましょうが、ここまで大風呂敷を広げられると、感覚がマヒしちゃうのですな。科学的整合性もまるっきり放棄して、物語はひたすら人間ドラマに終始します。当時は、米ソが冷戦中なので、とりあえずそーいうわだかまりをひとまず置いといて、協力しようとか、国連に予算が無いんで、計画が進まなくて一悶着あるとか、案外しっかりとした流れで物語が進んでいきます。

トンデモ映画でも、平成ゴジラシリーズに比べて、妖星ゴラスの評価がそんなに低くないのは、しっかりとした脚本のせいではないかと思うのだ。でも、科学的考証は最後の最後までほったらかし。気持ちいいくらいにバッサリと。

「これから地球の位置を戻さなきゃ」「これからが大変だ。でもがんばろう」っつって、今度は北極にジェット推進装置を作るぜ!って感じで終劇を迎えるんですが、、、、まてまてぃ、そんな悠長なことを言ってていいのか?!

宇宙ってのは、地球上ほど、抵抗があるわけじゃないので、一旦加速がついちゃうとグングン、スピードが上がっていくわけで、北極にジェットが出来る前に、人類は滅亡しちゃう可能性大だぞ。

そんな観客のツッコミだけを木っ端微塵に砕いて妖星ゴラスは、宇宙の彼方に去っていきました。